長い教員生活の中で、鍵盤楽器は何を買ったら良いかという相談を受けることがよくあります。

 

 前回のブログでアコースティックピアノ(グランドピアノ・アップライトピアノ)についてお伝えしていることを書きましたが、今回は電子楽器について書きます。

 

 

「電子ピアノ」

 

おねがい良い点

楽器全体の音量調節ができる

ヘッドホンの利用ができる

音色の変更機能がある

録音機能がある

調律など定期的なお手入れが必要ない

楽器の色を選べる

 

ショボーン気を付ける点

指で音色を作ることができない

指で音量の微調節ができないので、音の粒を揃える技術は身に付かない

ピアノと同じで鍵盤やペダルの音が結構カタカタ鳴る

 

 

 種類が豊富で一概に言えませんが、鍵盤を押したときの重さなどのタッチ感を普通のピアノ(アップライトピアノやグランドピアノ)に近づけているものが多いです。

 

 音は、普通のピアノの音に似ていますが、あらかじめ録音された音、決められている音を電子で出しているため、普通のピアノの表現力には敵いません。


録音されている音は、例えばコンサートホールの高級ピアノの音だったりするので、
どんな弾き方をしてもキレイな音が出てしまうところがメリットでありデメリットでもあります。

 

 

 普通のピアノでは、弾きながら耳で音を聴き、本人も知らぬ間に指で小さな小さな調節をしています。それはピアノ初心者の大人でも子どもでも。

 

 ですが、電子ピアノは、いつもキレイな音が出てしまうので、電子ピアノで練習している人が普通のピアノを弾くと、音色の調節ができていないことがよくあります。

 

 それは、本当に微妙イマジネーションの世界です。

例えば、「透明感のある音色」「優しい音」そして、わざと「汚い音」など。

電子ピアノで練習していると、表現豊かな音が出せないのです。

 

電子ピアノで練習している子が、レッスンでグランドピアノを弾いた時に気になる例ダウンダウン

・音が汚い

・音が弱すぎる

・音が強すぎる

・指によって音の強さがバラバラになってしまう

 

 

 幅のサイズはアップライトピアノとほぼ同じですが、奥行きは30cm~、高さも80cmでコンパクトになります。床補強など、重さの心配も少ないと思います。

 

 なによりも、音量調節ができること、ヘッドホンの利用ができること、録音機能や音色の変更機能があること、調律など定期的なお手入れが必要ないこと、お部屋に合った楽器の色を選べることなどが魅力がたくさんあります。(機能については機種ごとにご確認ください。)

 

 ただ、音量を最小限まで下げるとわかるのですが、鍵盤やペダルの音が結構カタカタ鳴るので、集合住宅の場合などは下にマット等を敷くことをオススメします。

 

 

 音を間違えずに弾けるようになる。指がよく動くようになる。

そういう練習には、電子ピアノは良いと思います。

でも、「美しい音を出す」練習はできません。

 

 

 今回書いたことの中でも、

特に「音色、音量の調節ができない指になっていく」というのは、小さな子どもにも影響しますので「そうなんですか、知らなかった」と言われますが、

この「カタカタ」も、お店で試弾してもわからず、

家に置いてみないとわからないので、知っておいた方が良いですよね!

 

 

こちらもご覧くださいませ~音譜

 

 

 

「キーボード」

 

 電子ピアノよりさらにコンパクトかつ軽量で、気軽に持ち運べるのがキーボードです。鍵盤やペダルの音が床にカタカタ響く心配もありません。

 

 鍵盤のタッチ感は鍵盤ハーモニカ(ピアニカ、メロディオン等)に似ており軽いので、キーボードで練習すると指の筋肉が育たず、ピアノの鍵盤が重くて弾けないという声もよく聞きます。また、ピアノは鍵盤の重さ(跳ね返り)を使って弾くこともあるのですが、キーボードの場合にはそれができないので、速い曲が弾けなかったりします。

 

 電子ピアノと同じように、電子楽器ならではの魅力がありますが、電子ピアノのように指で音量を調節することができません。

 

 

「電子オルガン」

 

 エレクトーン等がこれにあたります。手を使って弾く鍵盤が2段と足を使って弾く鍵盤ペダルがあります。

 とにかく楽しいのですが、鍵盤の幅(数)が無いため、ピアノの練習をする場合には適していません。

 

 鍵盤の重さはキーボードと同じで軽いため、手を滑らせて華やかな音を出すなど、電子オルガンならではの奏法ができますが、やはりピアノの練習には適していません。

 

 

 実は私、全て持っていましたニコニコ

 次回からは、実際に使用している立場から書きたいと思います!