手塚治虫の「世界の歴史」。 | 東京ワーママdiary★中高一貫校からの大学受験2031?

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東京で働く40代母。こどもは男の子ひとり、スポーツ少年、中学受験2025終了組。

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先程の記事を書いたついでに……
アラフォーおばちゃんの思い出話というか……


この、わたしがこどもの頃読んでいた「世界の歴史」の漫画について。

(↑は10巻までですが、あと5冊、実家にあります。早く移動させたいわ。息子、もう全部一度読み終わってはいるんだけどね)

 







 

これ、手塚治虫監修なんですよ。








我が家は、父が手塚治虫の熱烈なファンでして。

実家は、全300冊以上の手塚治虫全集がズラリと揃っている、という家でした。

(これを全て読破したことも、わたしが国語が得意になったことに影響しているのかもしれません。家に、いつでも読めて、そして何年掛かっても読みきれないほどの諒の漫画が常にある、というのは、とても幸せなことでした)


なので、この「世界の歴史」も、たぶん、父が手塚治虫好きなゆえに買ったのかな?と思います。


ちなみに、同じく手塚治虫監修の「中国の歴史」もありました。


 

 

これこれ!

実家にあるのとはちょっと装丁が違うようだけど。








わたし、この手塚治虫監修の「世界の歴史」と「中国の歴史」が、大好きでした。


我が家には、わたしの上に姉がいたのだけど、なぜか、幸運なことに、これらは、姉の部屋じゃなくてわたしの部屋に置いてもらえてたのよね……

(感謝……)


なので、学習机の傍の、本棚の特等席に置いて、なにかと言うと読んでいました。

繰り返し繰り返し読みました。

擦り切れるほど読みました。


「日本の歴史」の漫画も、全巻揃ってあったんですよ。

学研だったかな。

たぶん。


でも、

そちらは

全っ然読まなかったのよね……

わたし。


うちの親が買った時期が、「世界の歴史」や「中国の歴史」よりもずっと遅かった、というのもあるかしら。


中学に入って、学校の授業で日本史をやったときに、試験対策?として読んだくらい?

何度も読み返したり、しませんでした。


なんでかというと





ハッキリ言ってしまうと

つまらなかったから……


 



 

最近のやつは、もっと面白くなってるのかな?キョロキョロ







でもわたしの家にあったオーソドックスな「日本の歴史」の漫画は、わたしにとっては、残念ながらあまり面白くありませんでした。


手塚治虫の「世界の歴史」と比べてしまうと。

どうしても。


母親に「ねぇ、『日本の歴史』も、この手塚治虫のやつないの?こっちの方が面白いんだけど……」と言ったこともあります。


残念ながら「日本の歴史」はないのよ、と母が答えたのも、覚えています。


もしかしたら、手塚治虫があんなに早く亡くなっていなかったら。

「火の鳥」が手塚治虫版「日本の歴史」になっていたのかもしれませんね。

(ま、あれは学習漫画ではないから、少し違うけれど)








で、普通の学習漫画の「日本の歴史」と、手塚治虫の「世界の歴史」と、何が違ったかというと。


別に、わたしが日本史より世界史が好きだった、とか、そういうことではないのです。






そういうことではなくて……


手塚治虫の「世界の歴史」は、他の学習漫画とは、根本的に違いました。


どう違うかと言うと、それは、「監修のことば」に書かれているんだよね。


手塚先生……えーんえーんえーんえーんえーん






この「世界の歴史」。

歴史学習漫画のはずなのに、
歴史上の有名人物が主人公になっている巻が、すごーく少ないのです。

ほとんどの巻で、主役は「名もなき人たち」なのです。

歴史に名前が残っていない、一般市民。
手塚治虫が想像で作り上げた、その時代の普通の人々。

彼らの人生のドラマの背景に、歴史上の重大な出来事がある、という、そういう漫画でした。

だから、面白かった。
そこに人々の人生が、心が、描かれていたから。

これ、クマールもシーラも、この少年も、歴史上実在の人物じゃないのよ〜(笑)

「こんな人がいたかもしれない」っていう、名もなき一般人なのです。







だから、よくある、歴史上の重要人物の行動をどんどん追って、歴史上の出来事を次々と描いて、という学習歴史漫画とは、全然違ったんだよね。

で、手塚監修歴史漫画に慣れていると、当時の一般的な歴史学習漫画が、なんていうか、無味乾燥な教科書的事実の羅列に見えてしまって、あまり面白く読めなかったのです。

最近の歴史学習漫画はどうなのかは、ちゃんと把握していないのですが!

手塚監修歴史漫画は、こんなんなのでね。
描き切れていない部分も多いのです。

世界の歴史のすべてを描く漫画ではなくて、切り取ったいくつかの場面を描いた断片の集まりです。

なので、まぁ、一般的な歴史学習漫画とは、そもそもちょっと目的?位置付け?が違うものだったんでしょうね。

でも、それを読むことで、大きな大きな人類の歩みを、俯瞰で捉えることができるような構成になっていました。





 

 

ローマの巻は例外的に、史実上の有名人たちが主人公だったけどね。

 

 

それぞれの置かれた状況の中で、時代に翻弄されながらも懸命に生きた「普通の人達」が、多く主役に据えられています。

 

 

そういう「普通の人達」が、ひょんなことから史実上の有名人たちと関わることになったりね。


 

 そう、ストーリーには、創作が多いんだよね。


 

でも、その創作ストーリーを楽しむことで、大きな時代のうねりを感じられるようになっていた。

 

 

歴史上の重大な転換点や、当時の価値観について、きちんと理解ができるようになっていました。







わたしが世界史で特に苦労しなかったのは、この漫画のおかげも、もしかしたら、あるんじゃないかな、と思います。


漫画はいいよね。

絵で浮かぶから。

その時代の雰囲気が掴みやすい。







本当に素晴らしい作品でした。


もはや、古い作品で。

最新の研究成果も反映されていない。


それでもなお、我が子にも読ませたい「世界の歴史」の漫画です。


やっぱり手塚先生は、天才です。


なぜ絶版なんだい……


再版しても、内容が古いから、最新の研究成果が反映されていないから、売れないのでしょうか。


残念です。