こんにちは、ちるますです!

世界中が脱炭素社会を目指す中で、再生可能エネルギーの注目が高まっています。
太陽光や風力がよく話題に上がりますが、実は“日本が世界に誇れるエネルギー”がもうひとつあります。
それが「地熱発電」です。

地熱とは、地球の内部にある熱エネルギーのこと。
火山が多い日本はこの地熱資源がとても豊富で、世界でもトップクラスのポテンシャルを持っています。
けれど、なぜかその活用はまだ進んでいないのが現状です。

今回は、地熱発電の最新事情と、その裏にある課題、そして未来への期待をわかりやすく掘り下げていきます。

☑日本が「地熱大国」と呼ばれる理由

日本は火山の国。
地熱資源の量では、実はアメリカ、インドネシアに次いで世界第3位を誇ります。
経済産業省の最新データによると、理論的に発電可能な地熱資源は約2,300万キロワット。
これは、原発20基分に匹敵すると言われています。

東北地方や九州にはすでに多くの地熱発電所が稼働しており、特に大分県の「八丁原発電所」は日本最大級。
発電出力は11万キロワットを超え、全国の地熱発電量の約3分の1を担っています。

にもかかわらず、日本全体の電力に占める地熱発電の割合は、わずか0.3%ほど。
豊富な資源を持ちながらも、十分に活用しきれていないのが実情です。

☑地熱発電の“ここがすごい”ポイント

地熱発電の最大の強みは、安定した発電ができること。
太陽光や風力のように天候に左右されず、24時間発電を続けられます。
この“安定性”があるからこそ、ベースロード電源としての期待が高まっているんです。

さらに、発電時に二酸化炭素をほとんど排出しない点も魅力。
環境に優しいだけでなく、エネルギーの国産化にもつながります。
つまり、海外からの燃料輸入に頼らずに電力をまかなえるということ。

また、地熱発電は「地域と共に成長する」エネルギーでもあります。
温泉地や農業、観光業と連携することで、地域経済を活性化させる取り組みも増えてきました。

☑なぜ地熱発電は進まないのか

これだけ優れた特性を持っていながら、地熱発電の普及が進まない理由はいくつかあります。

まず大きいのが「開発に時間がかかる」こと。
地下数千メートルまで掘削し、地熱資源を探すには多額のコストと10年以上の時間が必要になる場合もあります。
さらに、温泉地との共存問題も避けて通れません。

地熱開発が温泉の湯量や温度に影響するのではないかという懸念から、地域住民の理解を得るのが難しいケースも多いのです。
また、国立公園内などの自然保護区域に地熱資源が集中しているため、開発規制の壁も立ちはだかっています。

☑少しずつ進む“共存型”地熱開発

しかし最近では、この課題を乗り越えるための新しい動きも出てきています。
例えば、温泉地と協力しながら地熱を活用する「共存型プロジェクト」が全国で始まっています。

秋田県の「小安峡(おやすきょう)地熱発電所」では、地元温泉組合と企業が連携し、温泉と地熱発電を両立。
地熱を利用して地域の熱供給にも役立てる取り組みが進んでいます。

また、環境省は2024年から、国立公園内でも一定条件を満たせば小規模地熱発電の開発を認める方針を発表。
これにより、これまで開発できなかった地域での実証実験が加速しています。

☑次世代技術「スーパーホット地熱」への期待

地熱発電の未来を切り開く新技術も登場しています。
そのひとつが「スーパーホット地熱発電」。

通常よりも深く掘り進め、400〜500度という超高温の地熱を利用する発電方式です。
アメリカやアイスランドで研究が進んでおり、日本でも東北大学などが実証実験を開始しました。

この技術が実用化すれば、発電効率は現在の3倍以上に跳ね上がる可能性があるといわれています。
まさに、地球の奥底に眠る“究極の再エネ”です。

☑まとめ

地熱発電は、決して古い技術ではなく“これからの主役”になり得る再生可能エネルギーです。
時間はかかりますが、地域と協力しながら進めることで、環境にも人にも優しいエネルギー社会を築くことができます。

日本には、世界でもまれなほど豊かな地熱資源がある。
それをどう活かすかは、これからの私たち次第です。

未来のエネルギーは、もう足元に眠っています。

それではまた、ちるますでした!