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今日のテーマは「お祝いの食文化」
2022年9月23日、西九州新幹線の武雄温泉駅~長崎駅が開業しました。
その地元佐賀県と長崎県には、それぞれお祝いの席で出される郷土料理があります。
佐賀県の「須古ずし」と長崎県の「大村ずし」。
今回はその 「お祝いの食文化」について。
まずは佐賀県白石町の須古ずし。
九州を代表する温泉地でありながら、佐賀県内で唯一鉄道のない市であった嬉野市は、実に9年ぶりに鉄道が復活し、「嬉野温泉駅」が開設されました。
その佐賀県嬉野市に近い白石町須古に、押しずし「須古ずし」があります。
具材は錦糸卵を下に敷いて、色付きカマボコ、シイタケ、煮つけゴボウのほかにニンジン、タケノコ、奈良漬けを載せ、さらに有
明海に近いこともあり、ここでしか取れないムツゴロウのかば焼き、エビなどを上に盛りつけ。
そして、正方形に切り分けて食します。
起源は諸説ありますが、城下町であった須古地区を治めていた領主平井一族が、米の品種改良に尽力しており、その後、当地で生産される 「すし」「米」「酒造米」は、全国に知られるようになりました。
この領主に感謝を示すため、領民が山の幸や海の幸をふんだんに取り入れた押しずしを献上したことが一つとされます。
続いて、長崎県大村市の大村ずし。
長崎県で比較的知名度が高いのが「大村ずし」。
押しずしの一種ですが、酢飯と酢飯の間にシイタケ、かんぴょう、はんぺん、煮つけゴボウなどが挟まれ、最後に錦糸卵が上に載っています。
寿司桶の中で5センチ程度の正方形に切り分け、華やかな色みと、切り口が特徴となっています。
起源としては、戦国時代、城下町であった大村領主の大村純伊氏が隣地との戦いに敗れ、一度大村の地を追われました。
しかし、大村純伊氏は再び領地である大村を奪還しました。
喜んだ領民たちは帰還する領主を迎え入れるため、食事を準備しようとしましたが、急な帰還であったため、食器を用意することができませんでした。
そのため代わりに大きな木蓋の上に、魚や野菜などを載せた押しずしをふるまったとされます。
領主以下、配下の家臣はこれをひどく喜び、それ以来大村市ではお祝い寿司として欠かせないものとなっています。
起源の違いや、地理的にも須古と大村は山を隔てて交流は少なかったと思われますが、同じような押しずしが祝いの席で今でもふるまわれている点については非常に興味深いものとなっています。
新幹線を途中下車して地元の食文化に触れてみるのも良いですね。
ほはば飯塚