土方歳三と近藤勇肖像写真 | 土方歳三資料館日記 (Hijikata Toshizo Museum Blog)

土方歳三資料館日記 (Hijikata Toshizo Museum Blog)

土方歳三の生家跡に設けられた資料館にて運営に携わる子孫の綴る日記。

本日テレビ東京の「何でも鑑定団」という番組で
川村三郎ご子孫の所蔵する
土方歳三と近藤勇肖像写真が紹介されていましたね。

あのように、故人の遺影に関して値段を付けて
評価してしまうことに対して、
子孫としてはやはり手放しで賛成はできませんが、
本日注目したのは古写真に関する説明で
最新研究の結果が反映されていた点です。

番組の方より資料提供などの相談を受けておりましたので、
上記の写真が取り上げられることは存じていたのですが、
近藤勇の撮影者は堀与兵衛、撮影場所は京都で
年代は慶応2年など、
近藤勇肖像写真の研究に関して
今一番注目されている森重氏の説が取り入れられておりました。

この近藤勇肖像写真に関する最新の研究論文は
霊山歴史館の最新号の紀要に載っています。
(興味深いです)

この方とっても面白いお人柄で、
古写真に関しては生き字引の様なお方キラキラ
土方家に伝わる古写真に関しても
いろいろと保管方法その他アドバイスをいただいております。

他の古写真についても深くご研究されており、
その一端はこのHPで知ることができます。
「写真が紐解く幕末明治」


ちなみに番組中で、
「歳三さんのオリジナル鶏卵プリント
(すなわちガラスの原板から直接鶏卵紙にプリントしたもの)
は一枚しか見つかっていない」とありましたが、
私も知る限り全身肖像の一枚しか
オリジナルと思しきものは拝見したことがありません。

近藤勇さんに関しては、
鶏卵紙のオリジナルプリントは一枚も見つかっていないそうです。

現代に伝わる古写真は複数存在するのに何だか不思議ですよね…。
でもそれだけ親類縁者がこぞって故人を偲ぶために複写を行い、
その複写写真を大切にしてくださっていたのかと想像しています。


やはり、状態だとか、オリジナルに近いだとか、
そういう観点だけで評価してしまうのは寂しいですね。
私たちがその一枚の古写真に接するとき、
その肖像がこの現代に伝えられた意味、
それを伝えた者たちの思いも含めて向き合うことができるといいですね。


ブログランキング

アップ
私は個人的に、歳三さんの半身肖像写真で
顔に修正が施されているものを初めて拝見したので
興味深く感じました。

あの写真が池田種之助が加工を施して複写した
といわれる楕円の写真の原型でしょうか?
う~ん。感慨深いです。ニコニコ