このツアーでは、とても楽しみに計画していた企画がありました。
「歳三さんの乗船した回天艦の戦闘航路を
モーターボートにて追体験する」というものでした。
これは、新選組研究の大御所・釣 洋一先生の
「自作のわらじで、歳三の歩いた中山道・東海道を同日程で歩く」
という伝説の追体験に匹敵(!?)する企画でした。
しかし、
出発前日は、各局のニュースで一斉に東北に押し寄せる高波を映像で流すほど
宮古界隈の海は大時化の荒れ模様でした。![]()
翌日の天気予報など、
「曇り、強風、最低気温マイナス3℃!」![]()
もはや、船に乗るどころではなく、
史跡巡りをすることさえ困難そうな予報に、
私は内心がっかりでした。
が、
不思議なことに、
盛岡よりレンタカーで宮古に向かう途中、
日が射してきたではありませんか!![]()
宮古到着後、ボートハウスに連絡を入れると、
「安全第一ですから、このままでは船は出せませんよ~。」
といっていたオーナーが、
「これなら今すぐに船を出せますよ。」
とのこと
私はゆかりの地への史跡巡りの前は、
大概仏壇かお墓で手を合わせてご報告してから出発します。
出発の朝も歳三さんにご報告を入れていきましたが、
その歳三さんの助けもあったのか。
早速ボートハウスへ。
★ここで宮古湾海戦をよくご存じない方の為に補足です★
宮古湾海戦とは、箱館に攻め込む為に
宮古湾まで北上してきた新政府軍艦隊を、
旧幕軍が「アシュロット(高雄)」「回天(かいてん)」
「蟠龍(ばんりょう)」の三艦で箱館から宮古に赴き、
撃沈する為におこった海戦です。
ちなみに地元では、
「日本初の西洋式艦隊による海戦」
として知られています。
箱館湾を出向した三艦は、翌日大時化に遭遇してしまい、
三艦バラバラになってしまいます。
ようやくアシュロットと回天が出会い、
二艦での作戦を実行するのですが、
大嵐でエンジンの故障したアシュロットは速度が出ずに
作戦途中で遅れをとってしまいます。
最終的には、回天一艦のみで敵艦隊に突入、
「甲鉄(こうてつ)」という主力敵艦に接舷
(船同士をくっつけることです)し、
野村利三郎をはじめとする兵士達が敵艦に乗り移って
「甲鉄」を占拠しようと試みました。
しかし、もともと三艦で決行するはずの作戦を
一艦のみで強行したわけで、
勝敗は海戦自体三十分もたたないうちに決着し、
回天は敵砲を受けながら退却していきます。
そしてこの宮古で撃沈しえなかった新政府軍が
蝦夷地に上陸し、戦いの場は蝦夷地へ。
二股の激戦へと続いていくわけです。
よって、余りメジャーではないのですが、
この宮古湾海戦というのは一連の戊辰戦争の中でも
かなり重要な戦いなのです。
★★★補足おしまい★★★
今回は、予約の段階でボートハウスのオーナーも
最初びっくりされていたおたく企画でしたが、
その歳三さんの乗船していた回天が
湾に入ってくるポイントまでまず移動、
湾の入り口から甲鉄に接舷するポイントまでの航路を
忠実に再現して航行し、
回天が入ってきたのとは逆方向に
敗走していくルートを辿っていく
というものでした。
使用したのは10人乗り程度のプレジャーボートです。
大きさは70メートル余りの回天には及びませんが、
速度は、運転士さんにお願いをして、
当時の回天の速度12ノット(時速22,2km)
を再現してもらいました。
このあたりのこだわりが横田ツアー流なわけです。
横田さんを見ると、手にはしっかりとGPS!
「これで、航路のズレはありません。」
か、完璧です!!先生!
回天は、事前情報により湾内に敵艦隊が
停泊していたことは知っていたものの、
湾ですから、入口に差し掛かった時点では
敵艦が見えないわけです。
中にググーッと進んでいくうちに
敵艦を発見するのですが、
それが見えたであろうポイントもしっかりとチェックしました。
接舷ポイントでは、そこで勇敢にも敵艦に飛び移り、
帰ってくることのなかった野村利三郎の
冥福を願い合掌してまいりました。
「湾に差し掛かったあたりで夜が明けた」とか
「敵艦が見えると回天内で歓声がおこった」とか
「『死ぬのはここだ飛び込めッ』と歳三が肩を叩くと
『応ッ!』と野村利三郎が敵艦に飛び込んだ」とか
「左股と右腕に被弾しながら
気丈にも艦の指揮を執り続けた甲賀源吾が
後進を叫ぼうとしたその瞬間、
こめかみを銃弾が貫いた」とか
そのポイントポイントでおこった史実のエピソードが、
その場の景色と空気感と臨場感と共に胸に差し込んでくるようで
言葉を失いました。
まるで138年前にタイムトリップしたかのようでした。
湾内に入っていく時から、敗走時まで。
本当に回天に乗船していた歳三さんの、兵士達の
胸のうちを見たような気がしました。
![]()
湾に入っていくボートからの景色。
右端の赤い塔の向こう側辺りが接舷ポイントです。
その時のことをまとめた本がこちら。
ちなみに表紙のCGは宮古湾の形。
上で飛び跳ねているのが野村さん。
下が旧幕軍が奪おうとした敵艦・甲鉄です。
また、7月15日に土方歳三資料館にて
横田さんの講演会が行われます。
受付はこちら まで。
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宮古湾海戦ツアー★その参へと続く…

