わたしは総合病院に入院したのですが、個室は1日2万円とアホみたいに高い値段だったので4人同室の大部屋にしました。わたしはタワマンに住んではいるけどもだからといって裕福なわけではないので贅沢ができないのです。残念無念。



入院初日はわたしの他に2人同じ部屋にいた。カーテンで仕切られていていたので姿は見えないけど助産師さんが頻繁にお世話しにきて患者さんと話しているのが聞こえる。



会話を聞いた感じ、わたしの隣のベッドの人は至って普通のひと。斜め前のベッドの人は話している感じ威圧感がすごくて完全に沢尻エリカだった。エリカ様は相手が喋っているのに若干被せ気味で返事をする。そしてお世話する助産師さんよりも私はきはきしっかりしていますよオーラがすごい。絶対に一緒の職場で働きたくないタイプで想像しただけで胃が痛くなった。



うちの病院は母子同室で、産後赤ちゃんとお母さんが同じ部屋で一緒に過ごすタイプだったのに2人とも赤ちゃんと一緒ではなかった。



聞こえてくる話によるとわたしの隣のベッドの人は赤ちゃんに何か問題があったらしくNICUに入っているため一緒にいないようだった。



エリカ様はなぜ一緒じゃなかったかわからない。赤ちゃんを助産師さんに預けることもできるのでそうしてたのかもしれない。エリカ様はもともと都内出身なことだけわかった。田舎出身じゃないぶん周りを下にみてしまうのかもしれない。



聞き耳たて過ぎだろと突っ込まれそうですがそんなこんなでお互い姿は見えないけども、情報はダダ漏れの筒抜け。それが大部屋の印象だった。



私は分娩室で一夜を迎え、大部屋に戻ってきた頃には二人とも退院していなくなっていた。



そして入れ替わりでわたしのベッドから向かって前のベッドの人が新たに入院してた。当然のごとくカーテンは閉められていたので姿は見えないがまた勝手に助産師さんとその人との会話が聞こえてきて、私と同じ日に男の子を産んでいたことがわかった。話し方的にほんわかした性格な印象。



そしてわたしもその人もそれぞれ自分の赤ちゃんが運ばれてきた。



オムツの替え方やおっぱいのあげ方を個別に助産師さんから教わる。



授乳は3時間ごとにしなければならない。わたしは子宮が炎症を起こしていると診断され抗生物質を投与するため1日2回点滴の時間があった。そして朝昼晩とご飯が運ばれてきて食べる。他、医師の診察があったり病院のルールや沐浴方法など病院指定の動画を観たり赤ちゃんが泣いたらオムツを変えたり抱っこしたりしてあやす。



...おわかりいただけただろうか?



産後は安静にするのかと思いきや、意外と忙しくてゆっくりしてられない。乃木坂46ぐらいスケジュール詰めっ詰めで慌しかった。



でもしょうがない。わたしは母。母は強し。可愛いお子を無事に産めたという事実にテンションがあがっていて全然苦じゃなかった。



シャワーは30分間予約表に記入した時間だけ利用できた。昨日は分娩でシャワーが浴びれなかったので今日こそは浴びたいと思っていたのに授乳や点滴などの合間の時間は予約が埋まっていてその日は無理だということがわかった。これは全然苦だった。苦過ぎる。汚ママ確定。



しばらくするともう1人同室の斜め前のベッドに新しく入院してきた人がいた。



この人はわたしより1日後に女の子を産んだようだった。赤ちゃんに対しての話しかけが「うるせっw」とか「何なんだよw」とかお言葉使いが乱暴なのでママ友にはなりたくないタイプだと勝手に思った。



同じ部屋に赤ちゃんが3人いて一斉に泣き出すとかなりカオスでなんかちょっと笑えた。あと、新生児の泣き声って可愛い。今までこんなこと感じたことなかったのに、脳みそがすっかり母モードになったのかもしれない。



授乳は夜中でも朝方でもとにかく3時間ごとに右のおっぱい10分、左のおっぱい10分を吸わせてそのあと助産師さんをナースコールで呼んで追加のミルクを20mlほど持ってきてもらって飲ませる流れだった。



これがなかなか上手くいかない。まず大体授乳の時間になっても赤ちゃんは寝ているので起こさないといけない。くすぐったり色々手を施しても全然起きない。あまりにも起きないので助産師さんに助けを求めると、助産師さんがちょっとくすぐっただけで起きたりしてなぜ...となることもよくあった。



あと授乳の真っ最中にもよく寝る。それも起こさないといけない。それぞれのママから「あ、寝ちゃった」「おーい」「起きて〜」という声が飛び交って聞こえてくる。



四苦八苦しているのが自分だけじゃないのがわかり安心した。



結局同じ部屋の人とは共通のトイレや洗面台を使うときにもばったり顔を合わせることがなく、一度もお互い姿を見ることがなくそのまま退院した。まるで忍びの者の生活だった。



とりあえず顔が見えないのに同じ境遇の仲間という今まで体験したことのない連帯感を感じて、結果的にわたしは大部屋でよかったと思えた。



夜中も朝方も関係なしに授乳で起きてさらに色々と活動するあのバタバタな感じ、まじで部活のスパルタ合宿のようだったな。まあ、わたし学生の頃帰宅部だったんですけど。



そしてあっと言う間に入院期間5日間の最終日になった。



ありがとう産院のお医者さん、助産師さん!!同じ部屋だったママたち、これから子育て頑張って行こうね!