ついにこの日が来てしまった。もう朝から行くのが嫌過ぎてしょうがなかったけど、クリニックに到着した。
もう憂鬱でしょうがない。これでダメだったら正直もうわたしには次頑張れる自信がない。無理だ。
今回も待合室で1時間半待った。クリニックに予約という概念は皆無である。





結果、やはり赤ちゃんは育っていませんでした。
先生に言われたことは胎嚢と卵黄囊はあるけど赤ちゃんが見えてこない。7週6日なので本来見えてくる時期だから稽留流産になるとのこと。





自然排出の場合、生理よりも血が多くてしんどく、なかなか排出されず2ヶ月ぐらいかかってしまうこともあるらしい。
なので次の移植を急ぎたいひとは手っ取り早く手術することが多いらしい。手術代が気になるので聞いたところ、数万円ぐらいだと思う。詳しくは受付に聞いてとのこと。
数万円て2〜8万だとしてだいぶ幅広いですがと心の中で貧乏神サイドのわたしがつぶやいた。





できれば自然排出で安く済ませたいので一旦とりあえず1週間自然排出を待って、排出されなかったら手術を検討することにした。





診察室のドアを閉めた途端にポロポロ涙が出てきた。なんで他の人ができることがわたしにはできないんだろう。すごく惨めだ。
マスクをしてると泣いて鼻水まみれでもバレない。このときだけはコロナによるマスク文化にまじで感謝した。





家に帰って泣かないでほげ子と旦那に言われてさらに泣いた。わたしは泣かないでと言われると余計に泣く性質を持っている。まじでやめてほしい。





夜は早速大好きな海鮮三崎港に行って旦那に妊娠中ずっと我慢して食べられなかったお寿司をごちそうしてもらった。海鮮三崎港はほんとコスパ日本一やっぱり最高。寿司作った人 is 神。





とりあえず本当に優しい旦那がいてくれて良かったとおもう。





でもやっぱりふとした瞬間、道を歩いているとき、ソファに座っているとき、寝る前など、ふいに悲しみがズンッと全身にのしかかって襲ってくる。未来が真っ暗に感じる。





辛いなあ。。





なるべく考えないように小説など読んで紛らわすことにした。
伊坂幸太郎のグラスホッパーを読んだ。そしたら次の一文に心を打たれた。





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「動物にね、『どうして生き残ったんですか』って訊ねてみてよ。絶対にこう答えるから。『たまたまこうなった』って」





つまり、あれこれ策を弄して、必死に頭を悩ますのは人間の悪しき点だ、と彼女は言いたかったのかもしれない。





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ハッとした。悲しんでたって悩んでたってしょうがない。





わたしは人間を辞めて動物になることにした。





ほげ子、しばらくラクダとして生きていきます。