こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

3連休の中日(なかび)となっています。

「梅雨」の季節は、まだ続きそうですね。

 

暦の七十二候(しちじゅうにこう)を見ますと、「蓮始開(はすはじめてひらく)」になっていることに気がつきました。

 

蓮(はす)は英語で ’lotus’ですが・・・

 

The flower of a lotus in muddy water is like a myrtle flower.

 

意味は・・・蓮(はす)はどろ沼の中にあっても泥に汚されず美しい花を咲かす。このことから周囲に毒されず清く正しく生きる

 

 

という格言が有名ですね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 (筆者が人工知能 A Iで作成)

 

今回の話題は・・・「エピジェネティック時計」のお話をしてみたいと思います。

 

「エピジェネティック時計」・・・「エピジェネティック クロック

(epigenetic clock)」とも呼ばれるものですが・・・

どのようなものなのでしょうか?

 

 

誕生してからの時間経過で規定される「chronological age(=暦年齢)」は,個人間での差異はなく,同じ日に誕生すれば同じ暦年齢となりますよね。
 
しかしながら,同じ暦年齢の人間が皆同様の老化を呈するわけではないのは・・・なんとなくですが・・・私たちの経験上、明らかですよね。
 
例えば・・・ある人は年齢に比して若く見えることもあるし,その逆もありますよね。
 
実際の「biological age(=生物学的年齢)」に近く,暦年齢よりも実際の老化の指標となる可能性が高いと考えられているもののひとつが

「エピジェネティック時計」となるわけです。

 

「エピジェネティック時計」は、どのような仕組みで導き出せるのでしょうか?

 

これは、「DNAメチル化」の程度が使われます。

 

そもそもDNAとは、4種類の塩基配列「A(アデニン)」「T(チミン)」「C(シトシン)」「G(グアニン)」を基本としています。その中の「C(シトシン)」にメチル基(-CH3)が付加され、5メチルシトシンになるのが「DNAのメチル化」です。

 

近年、さまざまな研究から「DNAのメチル化」と「生物学的年齢」は相関していることが明らかになってきました。

 

このように「DNAのメチル化」のレベルによって予測される年齢を「エピジェネティクス的年齢」と呼ぶのですね。

 

もう少し正確に言いますと・・・DNAをタグ付けするメチル基などのタグ付けパターンは人生の過程で変化することが知られており、ヒトの生物学的年齢の非常に正確な分子バイオマーカーになると言った方がよいかもしれませんね。

 

問題は、なんらかの方法を用いて、このプロセスを逆転させられるか?・・・ということにあるのですが・・・

どうやら・・・完全に「NO」とは言えない報告も出できているのですね。

 

お話の続きは・・・後日の話題にしたいと思います。

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>7月16日

 

連休明けの今日は、なんとも言えない蒸し暑い梅雨空でしたが・・・18日(木)以降、梅雨明けの可能性があるなど・・・嬉しく(?)思うニュースもありました。

 

人間というのは勝手なもので・・・梅雨が明けたら、明けたで、照りつける夏の灼熱(しゃくねつ)の太陽を見上げながら・・・梅雨の時期はよかったなあ〜などと思うのではないか・・・とも思います。
 

今回は「エピジェネティック時計」について、お話をさせていただきました。DNAの「エピジェネティックス」というお話を以前のブログでもお話をさせていただいたことがありましたね。。

 

DNAの配列は同じであるのに異なる mRNA遺伝子が出現し、異なるタンパク質が産生される。

 

例えば受精卵のDNA配列は同じものですが・・・あるものは、肺組織の細胞となり、あるものは眼の組織をつくるなど、同じDNA配列から、違うmRNA,そして、タンパク質ができて、異なる臓器が形成されるといった具合でしたよね。

 

これを「エピジェネティック」な変化と言いまして、大きくはメチル化、アセチル化、ユビキチン化、リン酸化などがあります。これっらは,DNAの塩基配列は同じであっても、これらを修飾(しゅうしょく)する方法ということになっります。

 

前置きが長くなりましたが・・・「エピジェネティック時計」とは、これらのなかのメチル化を用いて、年齢を割り出していく方法ということになります。

 

もう少し詳細に述べますと・・・「エピジェネティック時計」は、特定の遺伝子の近くの DNA メチル化パターンを調べます。これらのメチル化パターンは、加齢に伴い変化し、特定のパターンは特定の年齢に関連付けられることが報告されている・・・ということになります。

 

この「エピジェネティック時計」は、単なる年齢を推測するだけでなく、重要な意味を持っているとされています。

幾つかの「エピジェネティック時計」の意義とは、次のようなものになります。

 

1)生物学的年齢の指標

 

「エピジェネティック時計」は、従来の年齢よりも個人の生物学的年齢をより正確に反映しているとされています。

 

これは、生活習慣や環境要因によって、生物学的年齢が実際の年齢よりも若くなることもあれば、老化している可能性があることを示唆しています。

 

2)病気のリスクの予測

 

いくつかの研究では、「エピジェネティック時計」が、特定の病気のリスクを予測するのに役立つ可能性があることを示しています。たとえば、エピジェネティック時計は、心臓病、がん、認知症などのリスクを予測するために使用されています。

 

3)老化のメカニズムの理解

 

ピジェネティック時計」は、老化の過程を理解するためのツールを提供します。エピジェネティック時計の速度を早める要因を調査することで、老化のプロセスを遅らせ、老齢期に関連する病気のリスクを軽減するための新たな介入を開発できる可能性があるのではないかと考えられているのですね。

 

そして、現時点でいくつかの「エピジェネティック時計」にまつわる話題が注目されています。

 

それは、どのようなことなのでしょうか?

 

ひとつは、「エピジェネティック時計」を"戻す"つまり、老化の進行とは逆に"若返らせていく研究は、過去数年間で大きな注目を集めていっると考えられています。もちろん、この分野はまだ発展途上であると言えます。

 

例えば・・細胞のリプログラミング因子を短期間発現させることで、マウスの組織で若返りの兆候が観察されました(Ocampo ら :2016年 の研究)や

老齢マウスの血漿を若いアルブミン溶液と交換することで、様々な組織で若返りの効果が見られました(Melod Mehdiourら:2020年の研究) さらにヒトでも・・・

成長ホルモンとメトホルミンを含む薬物療法により、ヒトの胸腺組織の若返りと免疫機能の改善が報告されました(Gregory M Fahyら:2019年の研究)といった具合です。

 

これらは、新たな遺伝子やタンパク質などにより、若返りを示したわけでなく、DNAの修飾の状態を変化させただけ・・・と考えられているのですね。

 

もちろん、これらの研究は、「エピジェネティック時計」を"戻す"可能性を示唆していますが、まだ初期段階の研究であり、長期的な効果や安全性については更なる検証が必要であると考えられています。

 

また、これらの研究結果の解釈や再現性については、科学界でも議論が続いていることは、つけ加えておきたいと思います。

 

どうでしょうか・・・心がワクワクしませんか??

 

心がワクワクと言えば・・・今回、新たにブログの下にインターネットラジオを加えたのですが・・・これは私の声をクリアにして合成した人工知能( AI)の声で、医学的な内容をご紹介するものにしようとする予定なのですが・・・人工知能(AI)の声が少し訛って(なまって)しまいまして、苦戦しております。

 

もう少し、お時間をいただけたらと思います爆  笑

 

 

今回も最後までお付き合いいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

参考)

1.Cell .2016 Dec 15; 147(7) :1719-1733

In Vivo Amelioration of Age-Associated Hallmarks by Partial Reprogramming

Alejandro Ocampoら

 

2.Aging (Albany NY) 2020 May 300; 12(10): 8790--8819

Rejuvenation of three germ layers tissues by exchanging old blood plasma with saline-albumin

Melod Mehdipourら

 

3.Aging Cell .2019 Dec; 18(6): e13028.

Reversal of epigenetic aging and immunosenescent trends in humans

Gregory M Fahyら

 

 

(以前のphoto:筆者撮影)

 

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

新潟大医学部卒

 

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