こんにちは、内科医  ひとちゃんですニコニコ

 

12月の最後の日曜日となっています

 

昨日の24日は、「クリスマス・イブ」でしたが、東京都内の最低気温が-0.1℃となりまして、今季初の冬日であったとか

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回の話題は・・・「ビタミンD」にしてみたいと思います 

 

「ビタミンD」とは、どのようなものなのでしょうか?

 

骨を維持するためや健康のために必要な栄養素となりますね

 

身体が食料品やサプリメントからカルシウム(骨の主要成分のひとつ)を吸収するのを助けるとされています

 

「カルシウム(Ca)」とともに「ビタミンD」は、「骨粗しょう症」を予防する重要な栄養素なのですね

 

また、あまり話題になることがないのですが・・・

 

「ビタミンD」は、ヒトの多くの臓器の働きを助けています

 

例えば・・・筋肉を動かすため、神経が脳と身体のあらゆる部位との間のメッセージを伝達するため、免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するために「ビタミンD」は、不可欠であると言えます

 

この「ビタミンD」について、新しい報告がありました

 

脳内に存在する「ビタミンD」の量が多い高齢者では、明晰な頭脳が維持されやすい可能性がある・・・というのですね

 

この結果は、米タフツ大学ジーン・メイヤーUSDA加齢人間栄養研究センターのSarah Booth氏らの研究で示されたそうです

 

この研究では、脳組織中の「ビタミンD」濃度が高い高齢者では記憶力や思考力の標準的な検査の成績が良い傾向があり、認知症や軽度認知障害になる可能性の低いことが示されたそうです

 

脳組織中の「ビタミンD」濃度が 2倍になるごとに、死亡する前の最後の認知機能検査時に認知症、また、軽度認知障害が認められる可能性が25~33%低下していた・・・という結果も示されているようです

 

この研究の詳細は、「Alzheimer's & Dementia」という医学誌に2022年12月7日掲載されています

 

 

一般的に知られている話に戻しますと・・・

 

年齢を重ねるにつれ、多くの方(とくに女性)が骨粗鬆症を発症するか、発症リスクをかかえているとされています

 

発症すると、骨は脆弱化し、転倒によって骨折する場合もあります。

 

骨粗鬆症は、長期にわたる「カルシウム」と「ビタミンD」の摂取不足により発生することが知られています

 

それを予防するために、次のようなことが推奨されています

 

「ビタミンD3」として、1日当たり700~800 IU

「カルシウム」として、1日当たり500~1,200 mg

 

のサプリメントを併せて摂ることで、62~85歳の高齢者の骨量減少と骨折リスクが低減するとされています

 

ビタミンD3とは・・・別名「カルシフェロール」というビタミンDの一種となります

 

ビタミンDには、植物由来の「ビタミンD2」と動物由来の「ビタミンD3」があるのですね

 

JTKクリニックでは、他の医療機関との連携の中で、「骨粗鬆症」の治療も行っているわけですが・・・

 

「予防医学」というものもJTKクリニックでは重要視していますので・・・中年期以降の「ビタミンD3」や「カルシウム」のサプリメントの服用も推奨していきたいな〜と思っていますウインク

 

いよいよ、今週は・・・2022年の最後の1週間となるわけですね

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

(参考)

1) @DIMEアットダイム(小学館)内 記事より

2)  厚生労働省 eJIM

------------------------------------------------------------------------------------------

<  ブログ後記  > 12月27日

 

2022年も残り4日となり、何かとあわただしい年の暮れとなっていますね。

帰省や旅行を計画している方も多いというニュースもあり、若干の心配もしたりもします。

 

共同通信の記事によれば、新型コロナウイルス感染者数は今のところ、今夏の第7波を下回っているのにもかかわらず、死者数は第7波のピークを超え、全国で新たに371人が新型コロナで死亡したそうですので、細心の注意が必要なのかもしれませんね。

 

さて、今回は「ビタミンD」についての話題とさせていただきました。

 

ビタミンDの評価法は・・・ビタミンDは体内に入るとまず肝臓で代謝されて「25-OHビタミンD」となります。

 

続いて、腎臓で代謝されて1,25-(OH)2ビタミンDや24,25-(OH)2ビタミンDが生成されます。ビタミンD自体は代謝や脂肪組織への移行などにより血中濃度が大きく変動するため、一般にはあまり測定されず、主にその代謝物が測定されることが多いからなのですね。

 

本文でご紹介をした、脳内に存在する「ビタミンD」の量が多い高齢者では、明晰な頭脳が維持されやすい可能性がある・・・と米タフツ大学のSarah Booth氏らの研究は示したわけですが・・・異論を唱える科学者もいるとのことで、この説が定着するには、もう少し、検証が必要なのかもしれません。

 

ところで、これまでの科学論文で「ビタミンD」については、どのようなことが報告されているのでしょうか?

 

まず、これまでの世界的なコンセンサスは、次のようになっています。

 

重度のビタミンD欠乏症(血清25-ヒドロキシビタミンD(25OHD)濃度<30nmol/l)は、改善すべきであるというコンセンサスがあります。

 

これが大前提ではあるのですが・・・

 

実は、高齢者には別に基準がありまして・・・

世界の国々のほとんどのガイドラインでは、高齢者の最適な骨の健康のために血清(25OHD)濃度を>50nmol/lにすることを推奨しています。

 

また、骨粗鬆に関する最新の知見は、次のようになっているようです。

 

「ビタミンD」のみの補給では、高齢者の骨折リスクを低減できるとは考えにくいという結果が出ているのですね。

 

実際の診療では、ビタミンD」は、活性型ビタミンD3製剤(エディロール、アルファロール、ワンアルファなど)が骨粗鬆症の治療に使われるのですが・・ね。

 

しかしながら、ここに「カルシウム」を加えてみますと・・・

 

「カルシウム」と「ビタミンD」の補給の組み合わせは、骨粗鬆症の集団における股関節および非椎体骨折の発生率を緩やかに減少させることができることが示されています。

 

一方、免疫関連の話では、次のような話がクローズアップされています。

 

自然免疫反応の刺激に「ビタミンDシグナル」が関与していることを示す分子的証拠は広範にあり、日々、そのような報告は増えています。

 

「NK(ナチュラルキラー)細胞」や「マクロファージ」などが、自然免疫の免疫細胞となりますね。

 

この機序についても解明されています。

 

核内受容体ビタミンD受容体(VDR)というものを介して、 1,25D が 結合することで、自然免疫に関連するいくつかの遺伝子を活性化することが明らかにされているのですね。

 

もちろん、こればかりではないのですが・・・免疫に関与する細胞の機能をアップしていることが報告されています。

 

また、新型コロナウイルス感染の重症化を防ぐかもしれないと考えられていることも注目すべきことですが、詳細はまたの機会の話題にしにしたいと思います。

 

血中ビタミンD量の低下や筋内ビタミンDシグナル伝達の低下が筋力低下を導き、将来的なサルコペニア発症につながるの可能性を示す報告が、2022年10月に国立研究開発法人国立長寿医療研究センター運動器疾患研究部の細山徹副部長と名古屋大学大学院医学系研究科整形外科学の研究グループから報告されています

 

「ビタミンD」の話といいますと・・・なんとなく、地味(じみ)な話と思うかもしれませんが・・・

 

ビタミンD受容体(VDR)を介してシグナル伝達に関与する遺伝子はを調べてみますと・・・ヒトゲノムの1,000以上の遺伝子を直接的、間接的に制御していることが知られており、ヒトの各臓器において、重要な働きを担っていると考えてよさそうですよね。

---------------------------------------------------------------------

最後にはなりましたが・・・今回が、今年最後のブログとなります。

2022年は、新型コロナウイルス感染に始まり、新型コロナウイルス感染の拡大傾向に終わるという印象があります。

 

そのような環境の中でも、JTKクリニックは「メディカル ウェル・ビーイング」という新しい理想を掲げて、多くの「抗老化(アンチエイジング)」の医療的な方法を揃えてこれました。

 

これは、JTKクリニックを応援してくださる多くの方の御支援と応援があってのことと思っております。

 

JTKクリニック スタッフ一同を代表して、厚く御礼を申し上げます。

 

来たる2023年も何卒宜しくお願い申し上げますお願い

 

2023年が、皆さまにとって

幸多き1年となりますようにキラキラ

 

それでは、来年にまたバイバイ

 

(参考)

1. Nat Rev Endocrinol. 2022; 18(2): 96–110.

The health effects of vitamin D supplementation: evidence from human studies

Roger Bouillon ら

 

2. Rev Endocr Metab Disord. 2022 Apr;23(2):265-277.

Vitamin D, infections and immunity

Aiten Ismailovaら

 

 (筆者撮影)

==================================

 JTKクリニックホームページ

 

 

 

 

 

 

image

 

Instagram: jazz_1700

 

 <週末に聞いてみたい曲>

 

 

 

=====================

JTKクリニックからのお知らせ

 

2022年 12月29日〜 2023年1月3日は、休診とさせていただきます(2023年1月4日より、通常の診療を行います)。

 

○ダイエット漢方製剤は、オンライン診療でも処方が可能です。

 

◯線維筋痛症に対するノイロトロピン等の点滴療法、トリガーポイント注射を行なっております(セカンドオピニオン診療:予約制)

 

 

 

<JTKクリニック 所在地>

〒102-0083

東京都千代田区麹町4-1-5麴町志村ビル2階

電話 03-6261-6386

Mail:info@jtkclinic.com

==================================