こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ
 

曇りがちで、肌寒い日が続いていますね

 

暦の七十二候(しちじゅうにこう)では、「鴻雁来(こうがんきたる)」となっています

 

春に北へ帰って行った冬鳥が再び日本へやってくるいう意味となりますね

 

冬に備えての準備もしていかなくては・・・と思ったりもします

 

皆様の体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

さて、今回は・・・「コーヒー」の話題についてのお話をさせていただこうと思います

 

「Nutrients」という国際雑誌に2022年6月末掲載された科学論文からです

 

そのなかでは、次のようなデータが示されたのですね

 

 

コーヒー摂取習慣のある高血圧患者は、血管の内皮と平滑筋の機能が良好であることを示すデータが報告されているのですね

 

広島大学病院未来医療センター のセンター長であり、教授でもある

東 幸仁 ( ひがし ゆきひろ )先生らの研究によるものとなります

 

適量のコーヒー摂取には、健康上のさまざまなメリットのあることが報告されています

 

例えば、癌を予防する効果も示されたりもしていますが・・・高血圧の治療に対して、有益性が研究されたものでは、結果はさまざまであり、一貫性がなかったようです

 

 東先生らの研究グループ、はこの点について、「血管内皮機能」と「血管平滑筋機能」の面から検討をしたのですね

 

動脈血管の最も内側の層に当たる内膜の内皮細胞は、血管を拡張する一酸化窒素(NO)を産生するなどの役割を担い、中膜の平滑筋は血管のしなやかさに関与していることが知られています 

 

動脈硬化の初期段階では内皮機能が低下し、続いて平滑筋機能が低下してくるのだそうです

 

これらを測定することで、血管が狭くなるなどの形態学的な変化や臓器障害が現れる前に、動脈硬化のリスクを把握することができるのだそうです

 

また、血管内皮細胞の機能は、上腕の血流を一時的に駆血(遮断)し、それを開放した時に血流の刺激を受けた内皮細胞がNOを産生することで起こる血管拡張反応(flow-mediated vasodilation;FMD)で評価するのだそうです

 

 

研究の対象は、高血圧のある患者462人について検討がされています

 

 

血管拡張反応(flow-mediated vasodilation;FMD)は、コーヒー摂取習慣のある群の方が有意に高値であり、習慣的なコーヒー摂取群では平滑筋機能障害該当者が有意に少なかったことが報告されています

 

 

「適量のコーヒー摂取は高血圧患者の血管内皮機能と平滑筋機能にメリットをもたらす可能性がある」と結論づけています


 

その機序として、カフェインに含まれている「ポリフェノール」の「抗酸化作用」や

カフェインによる内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性上昇などが考えられるとの考察を加えています

 

東先生らは、コーヒー摂取者でも海外からの報告に比べて摂取量が少なく、大量摂取した場合にマイナスの影響が生じる可能性が不明であることなどを限界点として挙げていますが・・・

 

それでも、「コーヒー」が、高血圧から生じる動脈硬化にメリットをもたらす可能性があることや

コーヒーのカフェインが結果的に「抗酸化作用」を示す可能性があると聞けば・・・

 

コーヒー好きな方にとっては・・・とても、嬉しいのではないでしょうか?

 

コーヒーの成分の中で、覚醒作用のある「カフェイン」よりも多く含まれているのが「ポリフェノール」ですので・・・

 

“錆びない(さびない)からだづくり”のためにも「コーヒー」の飲むことは、よい習慣となりそうです

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

 

 

(参考)

1)Relationship of Daily Coffee Intake with Vascular Function in

     Patients with Hypertension

    Yukihiro Higashi ら

   Nutrients 202214(13), 2719

 

2)HealthDay  News記事より

 

 

<   ブログ後記    >10月11日

コーヒーが健康を維持するという情報は、コーヒー好きの方には嬉しいことと思います。

 

ちなみに、10月1日は「国際コーヒーの日」であったのですね。

 

歴史へのコーヒーの登場は、酒や茶に遅れるとされているそうですが、世界各国で愛飲されている嗜好飲料ですよね。

 

コーヒーと言えば、「カフェイン」が入っているという飲料であるということを思い浮かべる方も多いことと思います

 

アサの目覚ましに1杯のコーヒーを・・・と考える方も少なくないはずですよね。

 

なぜ、「カフェイン」で眠気がとれるのか?・・・と言いますと、その機序は次のようなものになるようです。

 

それは、脳内で眠気を作ったり神経を鎮静させたりする「アデノシン」という物質があるのですが・・・「カフェイン」には、この「アデノシン」をブロックするはたらきがあるためとされているのですね。

 

また、「カフェイン」には胃酸の分泌を促進する働きがありますので、空腹時にコーヒーを飲むと・・・胃の痛みがでたり、ムカムカするなどの症状がでることが多いわけですね。

 

一方で、コーヒーには「ポリフェノール」が多く含まれていることが知られています。

 

「ポリフェノール」を摂取することは、動脈硬化の予防、老化の防止そして、美容にも効果があるのではないか・・・などとも言われています


美容に効果があるというのは、とても意外なのですが・・・コーヒーの摂取に関する研究で明らかになったことなのですね

コーヒーを1日3杯飲む習慣のある人は、そうでない人に比べて肌のシミが少ないというデータもあるそうです。

 

その理由は・・・「ポリフェノール」の持つ抗酸化作用が紫外線によって発生する「活性酸素」を除去しているからだと考えられているようです。

 

なんだか、とても納得のできる結果ですよね。

 

ところで・・・コーヒー1杯(約140cc)には、どの程度の「ポリフェノール」が含まれているのでしょうか?

 

その答えは、コーヒー1杯には、約280mgの「ポリフェノール」が含まれているのだそうで、これは赤ワインと同程度なのだとか。

 

                   (図はお借りしました)

 

コーヒーの話題は、尽きないわけですが・・・またの機会にしたいと思います。

 

最後に私の好きな言葉をご紹介して、今回の話題を終わりたいと思います。
 

I need coffee to help me change the things I can, and wine to help me accept the things I can’t!

 

出来ないことを出来るように変えるにはコーヒーが必要で、

出来ないことを受け入れるにはワインが必要だ。

カナダ生まれの作家、「ターニャ・マッセ」の名言です。

 

今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

 

(参考)

1)LINK@TOYO 内記事 ポリフェノールとは:東洋大学食環境科学部 健康栄養学科教授 近藤和雄先生 より

 

2) 全日本コーヒー協会 記事 より

 

 

 

そういえば、そろそろ・・・こんな季節かもしれませんね

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(以前のphoto: 筆者撮影)

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元 順天堂大学 膠原病リウマチ科 准教授

日本リウマチ学会 専門医

 

 

 

 

 

 

 

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