こんにちは、内科医 ひとちゃんです
6月に入り、最初の休日となっています
英語で6月を意味するのは、「June(ジューン)」という単語は、古代ローマにおいて6月のことを意味していた「Junius(ユーニウス)」というラテン語を語源とする言葉であり、
ローマ神話における主神ユピテルの妻にして結婚と出産を司る女神としても位置づけられていた「Juno(ユーノー)」というローマ神話における女神の名前に由来する言葉であるのだとか
皆さまの体調は、いかがでしょうか?
(筆者撮影)
さて、今回は「睡眠」についてのお話をしたいと思います
ところで、皆さまは・・・よく眠れていますか?
慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています
睡眠障害もまた生活習慣病の発症に関わっているとされています
慢性不眠症の患者さんは、「交感神経の緊張」、「糖質コルチコイド(血糖を上昇させる)の過剰分泌」や「うつ状態による活動性の低下」など多くの生活習慣病リスクを抱えているとされます
入眠困難や中途覚醒・早朝覚醒など不眠症状のある人では、良い睡眠がとれてい人と比較して、糖尿病になるリスクが1.5~2倍になることが知られています
また、夜間には体内時計を調節する「時計遺伝子」の一つである「BMAL1遺伝子」とそのタンパク質が活性化します
この「BMAL1遺伝子」から作られるタンパク質は、どのように働くのか?・・・といいますと・・・
脂肪を蓄積し分解を抑える作用を持っています。
「夜食べると、太るよ」とよく言われますが、これは、科学的にも正しかったというわけですね
(図はお借りしました)
では、良い睡眠とは、どのようなものを指すのでしょうか?
もちろん、睡眠時間を長くすることは必要なのですが・・・「睡眠の質」をあげることは必要ですよね
質のよい「睡眠」のパターンは、次のようなものになります
(図はお借りしました)
「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」をバランスよく繰り返していますよね
(図はお借りしました)
上の図のように「レム睡眠」は、身体は動かない状態なのに・・・
脳は活動している状態・・・となるとされますね
これに対し、「ノンレム睡眠」は、
身体は動かない状態なのに・・・
脳も活動を休止している状態・・・とされますね
「夢」などを見ているのは、「レム睡眠」の状態にある時だとおもっれいましたが・・・
(図はお借りしました)
脳が起きている「レム睡眠」のときの夢は、ストーリー性に富むリアルな夢で、色のついた「カラーの夢」なのだそうです
脳も活動を停止している「ノンレム睡眠」のときの夢は、静かで変化がなく、色のついていない「モノクロの夢」なのだそうです
少し話がそれてしまいましたが・・・
健康でいるためには、「よい睡眠をとる」ということが重要なのですね
言い方を変えれば・・・「身体の健康をよい状態に保つ」ために・・・「理想の睡眠がとれる」状態を作り出せるようにするとも言えるでしょうかね
素敵な1週間をお過ごしください
それでは、また
<ブログ後記>6月7日
梅雨の時期が始まり、気分の晴れない方も多いと思いますね。
少し、今回のブログの題名を変えてしまいました
最近、睡眠の質を良くすることが、健康を保つために重要であるという考え方が主流になっており、いかに「睡眠」の状態を良好に保つか?
という医学的な話題も多くなっているのに気がついたりもします。
本文のような「レム睡眠」、「ノンレム睡眠」などという話題は、以前からあります。
例えば、「線維筋痛症」という疾患を持つ方では、「レム睡眠」、「ノンレム睡眠」のバランスが乱れることによって、体幹部の疼痛の増悪傾向がある・・・という話もありますね。
スマートウォッチなどに体動や脈拍、そして、体動などを検知できる機能があり、眠っている時の状態をある程度、把握できるようになったこともあり、「睡眠」には多くの医学的な関心が集まっているようです。
では、「睡眠:眠ること」には、どのような意味があるのでしょうか?
それは、次のような効果があることが知られています。
1)疲労回復の効果
私たちカラダの「内臓の働き」や「体温調節の機能」などは、私たちの意思とは関係なく24時間働き続けている自律神経系によってコントロールされています。
自律神経系には、「交感神経系」と「副交感神経系」があることは、ご存知の方が多いと思います。
日常生活の中では、両者がバランスをとりながら健康を維持しています。
疲れると・・・両者ともに機能が低下しますが、特に「副交感神経系」の機能低下が強くなるとされています。
なので、結果的には「交感神経系」が優位の状態になります。そこで、体を休めようと「眠気」というSOS信号を脳から出します。
この信号に従い、睡眠をとると両者のバランスは復活します。しかし眠気を我慢しながら、活動を続けると・・・「副交感神経系」の機能低下を解消できず、慢性的な疲労状態になってしまうこともあるのですね
こういった状態を回避する最も有効な手段が睡眠です。質の良い睡眠をとることで副交感神経系の機能が高まり、交感神経系とのバランスがとれることで疲労は回復するということになります。
2) ストレスからの回復
睡眠には、いわゆる「精神的疲労」から回復させる働きがあります。
さらに、脳の疲労回復が期待できるので、認知機能としての集中力・記憶力・思考力が維持・調整され、ストレス解消につながります。
また、睡眠不足により、ストレスホルモンである「コルチゾル」の分泌量を増加することが判明していますが、逆にいえば、質の良い睡眠によって、ストレスホルモンの分泌抑制につながると考えられます。
3) 肥満の防止の効果
睡眠時間が短くなると、食欲を抑制する「レプチン」というホルモンの分泌が減少し、食欲を増進させる「グレリン」というホルモンの分泌が増えることが判明しています。
つまり、睡眠時間が短いと食欲に関係するホルモンのバランスが乱れ、食欲が増進し肥満につながりやすくなるのですね。
反対に言えば、睡眠の質が上がることで、食欲に関するホルモンの分泌バランスが適正に維持されるというわけですね。
4)美容・美肌効果
入眠直後の深い「ノンレム睡眠」の間に「成長ホルモン(GH)」の分泌が高まるとされます。
この「成長ホルモン(GH)」は、健康だけでなく、皮膚の修復や新陳代謝を活性化する働きがあるのだそうです。
さらに皮膚のハリを保ち、しわを減らすなどの働きもあるそうです。
日常の仕事や家事が忙しく、充分な睡眠時間を確保できない・・・という悩みは、よく聞くところです。
「健康な状態を維持する」ことや「若々しくいるというアンチエイジング」の観点からも「睡眠時間」を充分にとることを心がけることは重要であると考えます。
できれば・・・「睡眠の質」を高めて・・ね
JTKクリニックでは、ある「睡眠スコア」を指標として、一般薬、漢方薬(エキス製剤・生薬)などにより、「睡眠の質」を高めるということにも挑戦していけたらと思っています。
また、多くの方のお力をお借りしながら・・・ですがね。
なぜなら、2021年のニュースではありますが、世界20カ国のうち、日本は睡眠の質が最も低い・・・ヘルスケアデバイスを手掛けるフランスのWithingsが報告しているからですね。
今回も最後までお読みいただきまして
ありがとうございました
<参考>e-ヘルスネット情報提供
wired, IT Mediaビジネス
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理事長、院長
小笠原 均 (Hitoshi Ogasawara)
医学博士
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(中和)抗体検査(外部検査機関に委託)を実施しています。
◯漢方薬を用いた治療を行なっています(保険診療)
◯線維筋痛症に対する薬物療法、点滴療法、トリガーポイント注射を行なっております
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