こんにちは、内科医 ひとちゃんです
穏やかな春の陽気になりましたね
そして、明日21日は「春分の日」となりますね
「春分」とは、春の中間に当たるわけですが・・・古代中国が起源だそうで、日本国内では平安時代から使われているのだそうです
今朝は1時間程度、近所を散歩したのですが・・・
桜の蕾(つぼみ)は、もういつでも咲きそうなくらいに見えましたね
皆さまの体調は、いかがでしょうか?
新型コロナウイルスの後遺症とされる「記憶障害」や「集中力の低下」が深刻化し、就労が困難になるケースも出ている。
頭にもやがかかったようになる「ブレインフォグ」とも呼ばれ、治療法が確立されていないために長期の休業や失業を招き、経済的苦境に立たされることもある・・・というのですね
さらに国が、「新型コロナウイルス」感染者の525人を追跡調査したところ、陽性の診断から半年たった段階で、「思考力や集中力の低下」を訴える人が11%に上り、味覚(9%)、嗅覚(7%)の異常よりも高かったそうです
このような「新型コロナウイルス」の後遺症が長期間にわたり残存することを「long COVID」と呼びます
Covid-19が「新型コロナウイルス」感染の症状を示しますので、長く残存する症状を指すわけです
実は、いまだに「long COVID」の原因はよく分かっていないのですね
米国立衛生研究所(NIH)は、4億7000万ドルの予算を計上して、「long COVID」の原因究明のための大規模調査のサポートを開始したそうです
また、米国心臓協会(AHA)はCOVID-19罹患後の心血管系への長期的な影響に関する研究に対して、1000万ドルを助成する制度も立ち上げたそうです
世界保健機関(WHO)も「リハビリテーションプログラム」の開発支援を開始したそうなのですね
もし、「long COVID」 新型コロナウイルスの後遺症に悩んでいる方がいらっしゃるとすれば・・・
世界各国が、今まさにその取り組みを強化しているところですので、そこは期待してよいのではないか・・・と思います
現在、最も基本的な課題の1つは、「long COVID」の定義と診断法を確立することだそうなので、まだまだ、「治療法の確立」までの
道のりは長いように思えたりもします
しかしながら、以外と思うかもしれませんが・・・
新型コロナウイルスの遺伝子の特性を捉え(とらえ)、免疫システムのどこに
いったい、どのようなトラブルが生じているのか?・・・
と考えていければ、近い将来には「long COVID」の症状を改善させられる日が来るのかもしれませんね
もちろん、JTKクリニックでは大規模な研究なるものは、行えないわけですが・・・漢方薬以外にもJTKクリニックには、幾つかの治療があるわけですので、それらの組み合わせることで、「long COVID」の症状を改善できないものか?
・・・といつも考えています。
(図はお借りしました)
上にあげる図は、毎日、私が眺めているものですが・・・なかなか、細かく書かれています
もちろん、こればかりではありませんが・・・ね
「新型コロナウイルス」に対する免疫のお話までは、到達できませんでしたね
後日、お話の続きをさせて頂きたいと思います
素敵な1週間をお過ごしください
それでは、また
<ブログ後記>3月22日
今日は寒い1日でしたね。小雪も舞っていたように思います。
ちょっと、専門的な話になるかもしれませんが・・・
新型コロナウイルスの遺伝子(ゲノム)は、とてもサイズが大きい・・・つまり、遺伝子の数が多いのですね
その遺伝子は、多様な「ウイルスタンパク質」をコードする遺伝子領域を持っているのですね。
分子生物学においては、mRNAの情報に基づいて(もとづいて)、蛋白」が作られることを翻訳(ほんやく、Translation)と呼ぶのです。
そして、その翻訳(ほんやく)され得る部分を「Open Reading Flame(ORF):オープン リーディング フレーム」と呼びます。
新型コロナウイルスが感染しますと「ウイルスRNAの複製」とは別に9つの「ORF mRNA」が転写されるのですね
「ORF mRNA」翻訳されることにより、いくつかのウイルスを構成するタンパク質とウイルスRNAが統合されることで、新たな新型コロナウイルス粒子が形成され,感染細胞から放出されるわけです。
ちょっと、見えにくいかもしれませんが、上記の図は「新型コロナウイルスの遺伝子」の全体を示しています。
このうち、注目すべき遺伝子は「ORF 8」の部分となります。
この部分は、免疫細胞などにさまざまな影響を与えることが報告されています。
そのひとつが、「MHC class I 」や「MHC class II」を極端に低下させることが報告されているのですね
「MHC」は、細胞表面にある糖タンパク質を示しますが・・・
細胞1つあたり10万の単位で発現しているとされています。
ヒトにおける「MHC」のことを「HLA(Human Leukocyte Antigen; ヒト白血球抗原)」といいますね
下の図は、通常のウイルスに感染した細胞が、どのように免疫細胞のひとつである「細胞障害性T細胞」に認識されるのかを示しています。
通常の場合の免疫反応では、簡単に示しますと次のようになります。
ウイルスが感染した細胞内で合成したウイルスタンパク質は、「ペプチド」に分解されて
その後、「MHCクラスI分子=HLAクラスI分子」に結合し、それが細胞表面に運ばれることになります。
「細胞障害性T細胞」は、過去のさまざまなウイルスや細菌感染の記憶を持つ「獲得免疫」の細胞ですね
よく「キラーT細胞」と呼ばれるものが、この細胞ですね
ところが、新型コロナウイルスでは「ORF 8」の部分の作用によって、「MHC class I 分子=HLA クラス分子」を極端に低下させてしまうわけです。
そうなると上の図のようにウイルスの「ペプチド」を「MHCクラスI分子=HLAクラスI分子」に結合させて、細胞表面に出すかとができなる可能性もありますね。
「ペプチド」と「HLAクラスI分子」を細胞表面に出すことを
「抗原提示(こうげんていじ)」というのですが、その意味は、
この細胞は、新型コロナウイルスに感染してますよという「目印」になるわけです。
この「目印」があるから、「細胞障害性T細胞」が感染細胞を見つけがして、免疫反応を起こし、
ウイルス感染細胞を破壊できるわけですから・・・「MHCクラスI分子=HLAクラスI分子」の発現が低下すれば・・・ウイルスに感染した細胞を破壊できない可能性がありますよね。
以前にブログ内でご紹介したエミール大学の「紙谷 聡先生」のご紹介をしたことがありました。
ファイザー社のワクチンの評価に携わった先生でしたね
その話の中に当初、「mRNAワクチン」は、右に示す3つの作用が期待されていたのですね
下の2つは「Cell mediated Immunity」と書かれておりまして、「MHCクラス分子=HLAクラス分子」を必要とする免疫を誘導する効果であったわけです。
ところが、皆さまもご存知のとおり、現在ではいちばん上に示されている機序、「Neutralizing antibodies=中和抗体」だけが注目されいるとおり、下の2つの効果は少ないと考えられていますよね。
これは、「mRNAワクチン」の予想される効果の予測が間違っていたわけでなく・・・
感染細胞が、ウイルス断片の「ペプチド」と「HLAクラスI分子」を細胞表面に出すことができなければ・・・
「MHCクラス分子=HLAクラス分子」を必要とする免疫「Cell mediated Immunity」は機能しない・・・可能性が高いということになりますね。
話を最初に戻しますと・・・
新型コロナウイルスでは「ORF 8」の部分の作用によって、「MHC class I 分子=HLA クラス分子」を極端に低下させることにより、
「細胞障害性T細胞(CTL):キラーT細胞」などによるウイルス感染細胞を見つけられないことから
それを破壊することができない可能性があります。
すると・・・PCR検査は陰性になっても
新型コロナウイルスは、長期間にわたり感染者の細胞の中に潜伏できる可能性が出てきますよね。
感染が長期間にわたると・・・いったい、どんなことが生じてくるのでしょうか?
では、もう方法がないのか?・・・と言いますと
答えは・・・「MHC class I 分子=HLA クラス分子」に頼らない免疫機序を用いればよい可能性があります。
いつものJTKクリニックの説明資料をお示ししていますが、これを見れば・・・どうすれば良いのか?・・・は、一目瞭然(いちもくりょうぜん)ですよね。
そうですね・・・NK(ナチュラルキラー)細胞は、MHC class I,II 分子に頼らまくても、ウイルス感染細胞を破壊することが可能ですね。
続きは、後日のお話としたいと思います。
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました
(以前のphoto.;筆者撮影)
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小笠原 均 (Hitoshi Ogasawara)
医学博士
( I社 S社長様)
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