江戸時代の、八百長相撲 | 「ライオンズ・西鉄・大鵬・目玉焼き」

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西鉄ライオンズからの歴史を大切にしたい、小学校時代からの長ーいライオンズファン。ライオンズを中心とした野球談義が好み。
野球を介して社会問題も考える。

◆去年、相撲界の”野球賭博”問題が起こった時に読んだ本に、「江戸の粋と八百長相撲」というpageがあって、そこに、いい話しが紹介してありました。


江戸時代中期、第四代の大横綱、谷風(双葉山の69連勝以前は、谷風の63連勝が記録だった)と、佐野山という落ち目の力士の取り組み。


この、佐野山という力士は、元々幕内上位で活躍していたが、母親が重い病気にかかり、その看病疲れと薬代の負担で、食事もままならなくなる。佐野山はおかゆぐらいしか口に出来なくなって行った。当然負けが込んで番付は落ち、とうとう引退かとささやかれる様になった。


そんなうわさを聞きつけた谷風は、勧進元に、佐野山との取り組みを申し出る。勝ちを譲れば、観客は喜び、ご祝儀も沢山貰えるだろう、親孝行の佐野山にいい目を見させてあげよう、、、これが谷風の狙いだった。つまり、横綱の仕組んだ”八百長”。


いよいよ顔合わせ。土俵に上がると、谷風は佐野山に小声でささやく。「親孝行に励めよ」。

その一言で佐野山は、この取り組みの意図と谷風の心情を察し、感謝の気持ちで涙を流す。観客は、佐野山が大横綱との対戦で、恐怖のあまり泣き出したと受け取る。


立ち合い。谷風は佐野山にもろ差しを許して後退、そのままあっさり土俵を割ったのではいかにも、うそ臭い。そこで、豪快にうっちゃる様に見せて、足を土俵の外にさりげなく出しておいた。観客は谷風の逆転に目を奪われ、足には気付かない。さすがに、行司だけは足を見て、軍配は佐野山に上がる。大番狂わせ。佐野山は沢山の祝儀を貰い、大横綱を破った名誉も手に入れて、谷風の言葉通り、親孝行に励んだ。


これは”江戸落語”にもなっているお話だそうです。これは、”八百長”なんでしょうけど、一方が勝手にやるもので、今、問題になっている、双方の仕組んだ、”八百長”とは、全く違うものだと思いますし、この事で谷風を責める人は誰もいないと思います。


◆今、問題となっている”八百長”は、双方が仕組み、お金も動いている。人情話でも何でもないし、ファン全員を裏切る悪事行為で、谷風・佐野山のものとは異質のものです。


ここに至っては、過去をちゃんと清算して思い切った大改革を断行し、その上で大相撲再開として欲しいと願っています。