第11話 "Guess what!" | yoshのブログ

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「デイヴって、デイヴ・マーリー。あのイケメン先生のことですか?」
 ファースト・ネームだけだから、人物が特定しづらいとかそんなことはない。
 だって、私も由梨も互いに知っているデイヴというのは、彼しかいない。
 にもかかわらず、こんな確認をする彼女がまた妙に愛おしく思えた。
「そう。そのイケメン・デイヴですよ。彼が是非由梨さんと飲みに行きたいって」
 嘘をつくということに、何の抵抗もなかった。
 またデイヴに対しても、申し訳ないとかそんな気持ちは特にない。
「北川さん。ここだけの話なんですけど、私イケメンってあんまし好きじゃないんです。で、
北川さんは?」
「何がですか?」
「北川さんも一緒に行くんですか?」
「そのつもりですけど」
「だったら、私も行きます。ちょうど生きた英語の勉強になりますし」
 普段は自分で言うのもなんだが、割と勘の良いほう。
 だけど、このときの彼女の真意はつかみきれなかった。
 やはり期待感が私の野生の勘をも狂わせている。
「ってことは、デイヴに由梨さんが一緒に行ってくれるって伝えていいですね?」
「絶対北川さんも行くんですよね?」
「はい。私は死んでも行きますから」
「死んだら行けませんよ、たぶん。えへっ。あっ、北川さんが生きてたら行くんだったら、行くって
伝えてもらっていいですよ」
 自分の勘が狂っているのは、さっき実感したばかり。
 だけど、どうしてなんだろう?
 どう考えても、由梨は私に気がある。
 いろんな角度から考えても、答えがそこに落ち着く。
 ほんの数秒の間で、かなりインテル大活躍。
 それくらいシナプスが重労働をし、信号がたくさん駆け巡った。
"David. Guess what!"
 まだ彼女の目の前にいる。
 デイヴはずいぶん離れた講師の控室にいる。
 しかし私の頭の中では、彼にかけるべき最初の言葉を既にシャウトしていた。