補聴器のフィッティングはPC上で行うわけですが、その調整ソフトには上図のような、補聴器の出力をシミュレーションしたグラフが表示されます。

 

このグラフを見ながら、適正な出力になっているか判断しながら調整するわけですが、これはやはり「シミュレーション」でしかない。

 

実際の各個人の耳道内の出力を測定してみると、

 

おや??・・・何この変なディップ(落ち込み)は!!

さっきのグラフと全然違う!

最初は挿入しているマイクのポジションが悪いのかと思い、何度もやり直しましたが結果は同じ。

 

そこで微調整を施した結果・・・

だいぶマシになってきました。

使用しているご本人の評価も、だいぶ楽に聞き取れるようになったとのこと。

 

やはり実際の耳道内の出力測定は大きな効果があると感じている今日この頃です。

 

以前、ある海外の補聴器技術者に言われた言葉を思い出しました。

 

「実耳測定は調整する側もすごく楽なのに、なぜ日本ではやっていないの?」

 

確かに、楽です。

フィッティングソフトのシミュレーションのグラフ、イヤシュミレータや2ccカプラーでの測定値とにらめっこしながら試行錯誤するより、よほど効率的。

実施した補聴器使用者の方々の評価も、概ね良好。

もっと早く導入すれば良かった。