日本シャンソン館での「ホブとユトリロのシャンソン談義」。
本日は、8月17日の「80年代フレンチ・ポップス」特集2回目を振り返ります。
1回目と同様、時代背景を把握するために、まず80年代のフランスポピュラー音楽界の出来事を振り返りました。
80年代には、セリーヌ・ディオン、ミレーヌ・ファルメール、パトリシア・カース、ララ・ファビアン、ヴァネッサ・パラディといった、日本でもお馴染みの歌手たちがデビューしました。
一方、ジョルジュ・ブラッサンス、ティノ・ロッシ、リュシエンヌ・ボワイエ、ダリダ、日本人では越路吹雪といった大御所たちが亡くなっています。
82年に市場投入された音楽CDが86年には枚数ベースでLPを超え、それに伴ってLPで発売されていた多くのフレンチ・シンガーたちのアルバムが廃盤になり、日本市場におけるフランスのポピュラー音楽の影が薄くなり始めた時期でもありました。
そのような時代だった80年代で、ホブとユトリロがおすすめする曲は次の通りです。
⑦エンリコ・マシアス
60年代に大活躍したマシアスですが、70年代以降もいい曲をたくさん歌っています。
・"君と同じ" (1983)
・"我が心のフランス" (1980)
2曲とも、フランス統治下のアルジェリアで生まれ育ったマシアスの実体験が反映されています。
⑧ジェラール・ルノルマン
・"Le Blues Des Pays De L’Ouest" (1983)
70年代の印象が強いルノルマンですが、この曲が入った83年のアルバムはユトリロさんも私も名盤に挙げたいと思います。
・"La Petite Valse" (1981)
マシアスの2曲目とルノルマンの両方は、D. バルブリヴィアンが作曲しました。
⑨ジャン=ジャック・ゴールドマン
2015年に行われたアンケートで、『フランス人が好きな男性歌手』のダントツでした。
・"愛さえ忘れて" (1985)
・"あこがれ" (1987)
女声パートを担当した歌手Sirimaを襲った悲劇についても紹介しました。
⑩ルノー
・"Mistral Gagnant" (1985)
2015年のアンケートで、"行かないで"や"黒いワシ"をおさえて、『フランス人が好きな歌』の第一位に輝きました。
・"En Cloque" (1983)
ゴールドマンとルノーは、それぞれレオ・フェレとブラッサンスから大きな影響を受けており、また二人とも若い歌手たちに多大な影響を及ぼしています。その具体例を挙げ、古き良きシャンソンとはスタイルは違って見えても、彼らなりに伝統を受け継ぎ、次世代に引き継いでいると紹介しました。
⑪エルザ
・"哀しみのアダージョ" (1986)
・彼と彼女のソネット(原田知世)
大貫妙子さんが日本語詞をつけて、原田知世さんも歌っていました。
⑫ジェーン・バーキン
・"Quoi" (1987)
・"Quoi"
今年2月にオランピアで行われたコンサート"Jane birkin by Friends"では、バーキンの二人の娘、シャルロットとルーが"Quoi"を歌いました。
80年代特集はこれで終了です。
当日お聞きくださった皆様、準備や当日の段取り等でご協力くださったシャンソン館のスタッフの方々に感謝いたします。
毎回お聞きくださっている岩崎桃子さんがブログで紹介してくださいました。
このように言っていただけると、次回に向けての意欲がますます湧いてきます。
次回の談義は10月の予定です。
テーマや詳細日程が決まりましたら、改めてご案内します。