"Souvenirs...Attention...Danger !"は、セルジュ・ラマの中でも私がとくに好きな曲です。
これは、ラマが両親の前で"Souvenirs..."を歌っている映像です。
ちなみにラマの父親Georges Chauvierも、歌手でした。
ラマの曲は多くは、アリス・ドナ、イヴ・ジルベール、ジャン・クロード・プチ等が作曲していますが、この"Souvenirs..."の作曲者はTony Stéfanidisという人で、シャンソン&フレンチ・ポップスの世界ではそれほど有名ではないと思います。
私も"Souvenirs..."が大好きだと言いながら、Tony Stéfanidisについてはほとんど知らなかったので、調べてみました(主な情報源はDiscogsです)。
トニー・ステファニディス(アントニス・ステファニディス:Αντώνης Στεφανίδης)は、ギリシャの歌手&作曲家です。
60年代後半に、The Vikingsというバンドに加入し、ベースを担当しました。
67年にギリシャ全土で大ヒットした彼らの代表曲"Françoise"は、トニー・ステファニディスの作品です。
グループ解散後にソロ歌手となり、1972年〜1980年に8枚のEP盤を発表しています。
英語とフランス語で歌っていたようです。
こちらは73年の2枚目のEP盤から。
こちらは74年の3枚目のEP盤から。
ラマに書いた最初の曲は、78年のアルバム"Enfadolescence(愛ある人生)"の中の"A Quelle Heure(船なんか来ませんよ)"です。
その後、80年のアルバム"Souvenirs... Attention... Danger !"には、タイトル曲と"Le Lit d'Isabelle"の2曲を、
86年のアルバム"Portraits De Femmes"には"Idées De Femmes"と"Je Vous Salue Marie"の2曲を、
87年のアルバム"Je T'aime"には"On Devient Un Émigrant"を提供しています。
しかしTony Stéfanidis名義での外国人向けの作曲は90年代半ばまでで、以降はΑντώνης Στεφανίδης名義でギリシャ人歌手向けのみとなり、最後の作品は2000年代前半でした。
その後について情報を得ることはできませんでしたが、2017年11月、Tony Stéfanidisはその生涯を閉じました。
リアルタイムでは活躍を知りませんでしたが、"Souvenirs...Attention...Danger !"を残してくれたことに感謝です。