カバーされる曲というのは大抵は名曲なので、カバーする場合は、どんなコンセプトで制作するべきか、難しいと思う。
オリジナルの良さを残しつつ自らの個性を入れる場合もあれば、全く違ったアレンジに仕上げる場合もある。
今回から何回かに分けて、私がこれまで聞いたカバー曲で、何度も繰り返し聞いた曲や印象に残っている曲を挙げてみたい。
なお紹介順はランダムである。
① "Mistral Gagnant" Coeur de Pirate
ルノー(Renaud)の作品をいろんな歌手が歌ったアルバム"La Bande A Renaud"に収録されている。
85年発売オリジナル版はルノーの代表作で80年代フレンチ・ポップスの名曲にも数えられる。
CD化はされてなくても、ララ・ファビアン, イヴ・デュテイユ, ノルウェン・ルノワ等、多くの歌手がライヴで取り上げている。
そんな中で私の印象に残っているのが、1998年の"Enfoirés en Coeur"での、ヴァネッサ・パラディとマシキムによる歌唱。
Coeur de PirateもVanessa & Maximeもそうだが、余計な節回しやオリジナルと違うメロディを入れずにオリジナルの良さを活かしているところに好感がもてる。
こちらはオリジナル。
2、30年前、NHK教育のフランス語講座に、新しめのフレンチ・ポップスを紹介するコーナーがあり、このクリップはそのコーナーでも流れていた。
他にも、J.アリディやJ.J.G等のクリップが紹介されており、それを録画するためにビデオをセットして待っていたことを思い出す。
Youtubeで簡単に見ることができる今から思えばずいぶん面倒なことをしていたが、いい思い出である。
② Angelina Wismes "Mon enfance"
こちらはオーディション番組"The Voice"出演時の映像。
ユトリロさんから教えてもらって初めてこの映像を見たときは、大きなショックを受けた。
深い声と圧倒的な表現力。本家のバルバラに似ているところはあるのだが、決してモノマネではない。
末恐ろしいと思ったことを覚えている。
しかし2015年にバルバラのトリビュート・アルバムを発表して以来(これがデビュー盤)、アルバムを出していない。
登場時のインパクトがあまりに大きかったので(バルバラの再来か?とも言えるほどだったので)、そこからの脱却には大きなエネルギーと長い時間が必要だということか?
歌手活動は続けているようなので、Angelina自身の世界を表現した『満を持してのニュー・アルバム』の発売を期待したい。