PENTAX SMC  Takumar 50mm f1.4  分解 カビ掃除  | hobbyvariety

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PENTAX SMC Takumar 50mm f1.4 分解 カビ掃除 

 

ジャンクで購入した標準レンズ+SPFボディです。 Takumar 50mmの1.4は持っていないので、ちょっと手をだしてみました。 残念ながら結構なカビ玉でしたが、被写体が白っぽく写るという程のものではなく、コントラストが下がる程度のものでした。 とはいえ、やはりカビの多いレンズは精神上よろしくないので、いつものように分解カビ掃除してみました

<PENTAX SMC Takumar & SPF>

 

このレンズは、PENTAX-m 50mmF1.4と構造的にほぼ同じで、分解要領もほぼ同じです。 一番奥にある貼り合せレンズまで掃除するには、1)フィルター枠、2)前玉群、3)ピントリング、4)絞りユニット、を分離する必要があります。後群から分解していっても、貼り合せレンズは取出せません。

↓ pentax forumsに載っている本レンズの構成図です。光学的には前群と後群の2群ですが、構造的には、前群3枚、貼り合せレンズ1群2枚、後群後ろ2枚、の3群で構成されています。

 

<1.フィルター枠の分解>

↓ 銘板リングを外したあと

 銘板リングを外せばレンズ押えのカニ目が見えますが、先にピントリングを取外す必要があります

↓ フィルター枠を押えている3本のネジを外す

 下の写真で、3時半くらいの位置にあるネジがその一つ

↓ フィルター枠を外す / フィルター枠を外すと前玉群が分解可能に

<2.前玉群の分解>

↑ 上の写真で前玉枠の3時と9時の方向に見えているカニ目穴をカニ目レンチで回して前玉群を分離

↓ 分離した前玉群 前玉群があったところの下に見えているのが絞りユニット

↓ 取外した前玉群のカビ 結構あちこちに発生しており、やはり精神的によくありません

↓ 外した前玉群から、さらに前面のレンズ押えをカニ目レンチで外して前面レンズを外します

↓ 前玉群の後ろ側

 丸穴が二つあるリングが、後ろレンズの押えリングなのでこれを回せば後ろレンズが外れます 

↓ 前玉群の真ん中のレンズは前側からレンズ押えを外して取出します

<3.ピントリングの分離>

↓ピントリングとその内側の鏡筒との間から、ピントリングを止めている3本のネジが見えるのでこれを外せばピントリングが外れる

・ ピントリングは内側のヘリコイドの位置と無関係に止めることができるようになっているので、組立てるときは、ヘリコイドが無限遠側か最短側になるようにしてから、それに合せてピントリングを位置決めしてからネジ止する

↓ 外れたピントリング

<4.絞りユニットの分離>

↓絞りユニットは内鏡筒の外側からのイモネジ3カ所で押えられているのでこれを緩める

(写真を撮り忘れたのでm 50mmF1.4の画像を参考に載せます。内鏡筒のイモネジの付き方はほぼ一緒)

 無限遠側の状態にしたままでは内鏡筒が下に下がってしまいイモネジが見えないので、イモネジが見えるところまで内鏡筒を繰出す必要あり 

 下の写真例では、ヘリコイド上の黒い鏡筒の6時の方向にあるイモネジと、120°離れた他の2本のイモネジを緩めると絞りユニットが分離できる

↓ 絞りユニットの丸い棒が絞りの伝達ピンなので、組立てるときはこのピンが鏡筒側の受け(下の写真では11時の方向にある2本の金属棒の間)穴に入るように

<5.貼り合せレンズの分解>

↑ 絞りユニットは外すと、貼り合せレンズと押えリングが見える

 押えリングのカニ目穴にレンチをあてるが、狭隘なところにあるので初めのうちはカニ目レンチの先はマイナスではなく尖ったキリ状のものを使う方がよさそう

 

↓ 押えリングが外れたら、レンズサッカーとかでレンズを引抜く

↓ それなりに黄色い貼り合せレンズ 

  SMCm50mmF1.4と違って、バルサム切れがないのがありがたいです

 

<6.後群分解>

↓ 後群2枚は普通に分解可能

↓ レンズ押えのカニ目を回して後玉1枚を外す

↑ さらにカニ目穴があるレンズ押えが見えるので

↓ これを外してもう一枚のレンズを外す /  このレンズも結構黄変


<組立て>

・組立ては分解と反対の手順を行うだけで特に面倒な箇所は無さそうに思います。

 

分解組立ては、m50mmF1.4とほぼほぼ同じなので、これを分解した経験のある人なら特に問題なく作業できるでしょう。

 

各レンズのカビはだいたい除去しましたが、薄いながらコーティングが変色しているようなところもあって、完全にはキレイにはなっていませんので、また時間のあるときに再度分解清掃が必要です。 とりあえず趣味用の実用品レベルにはなったので当面はこれで。

その他には、絞り羽に油滲みがあったので、綿棒にアルコールを付けて軽く拭いておいたのですが、ある程度は油がとれたものの羽を分解洗浄しないと完全には取り切れないようです。面倒なのでこれも時間があれば後日。