銀塩カメラ PENTAX KX 中古 /分解&組立
ジャンク品扱いのKX+55mmf1.8を入手しました。ホコリだらけでしたが、軍艦部に目立ったキズ無はく、拭けばそこそこ綺麗になりました。巻き上げ時に少し鳴きがあるものの、シャッター問題なし、露出計作動、とまずまずです。 因みにレンズSMC PENTAX 1:1.8/55 はバルサム切れで実用にはなりませんが大きなキズはないので飾っておくだけならOKです。
↓MEと比べるとかなり大きく見えます。写真ではよく分かりませんがKXの軍艦部カバーのメッキの色調はMEと少し違い、MEはクローム寄りの少し暗い色、KXはアルミ寄りの白っぽい色です。
このKXは、PentaxForums に於いて、Film Camera/Manual Focus SLRsの中で、Ratingの値が9.67(10点満点)と一位の評価を得ています。LXは9.61、MXは9.27の評価であり、僅差とは云えLXより評価が高いとはちょっと驚きです。欧米人にはKシリーズの大きさは気にならないのでしょう。
もっともAverage Price(平均価格)は、当然ながらLXがダントツです。
本機はファインダーを覗いたときに視野の上方に絞りの値を表示する窓を備えているのですが、絞りの像がぼやっとしていて読めない状態でした。
で、分解修理です。
KXの分解はいろいろな先人の方のサイトで紹介されていますので、それを参考に分解です。因みに、最も参考にしたのは、nico nicoさんのブログです
<以下分解>
フィルムカウンターカバー横のイモネジを緩めます。外す必要はありません
カウンターカバーを外します
フィルムカウンター表示板止めているネジを外して表示板を外しますが、止めネジは逆ねじなので注意です
フィルムカウンター版を外しました。次は巻き上げレバーの押さえを外しますが、この押さえのリングネジも逆ネジなので注意です
押さえを外しました
巻き上げレバーを止めているネジ3個を外します
ネジで取り付けられていた黒色と銀色の金具2個を外します。銀色の半円状の金具は手前にスライドしなけ外れません。これで巻き上げレバーが外れます。
写真撮るのを忘れましたが、シャッターダイヤル横のイモネジ3個を緩めてシャッターダイアルカバーを外します。シャッターダイヤルを外すとその下に黒いドーナツ状のシートがあるのでこれも外します。
次は巻き戻しクランクレバーを外します。これは裏蓋を開けて中の軸を固定してからクランクを反時計回りに廻せば簡単外れます。
フィルム感度設定ダイアルを止めている中央のネジを外します。ここは逆ねじでなく順ネジです。
設定ダイアルを取り外すと、また黒いドーナツ状のシートがあるのでこれも外します。
これで軍艦部の上のネジ3カ所を外せば軍艦部カバーが外れます。
外した軍艦部カバーです
ペンタ部の裏には絶縁のためにモルトが張ってありますがボロボロになっているので組み立て前に除去しました。代わりに絶縁紙を入れています。
写真手前の軍艦部は比較のために置いたMEの軍艦部カバーです。
MEではペンタ部の裏は絶縁のためにモルトの代わりにエナメル処理がされており、モルトが劣化してクズクズになる心配はありません。
目的の絞り読み取り用の絞り窓の部分です。この映像では窓のレンズは正しい位置に納まっていますが、分解した時にはレンズが内側の方に倒れ込んでいる状態でした。
取り外した軍艦部です。ペンタプリズムの前に付いている金属棒経由で絞り像がファインダー内側に送られます。
横からみたところです。読み取りレンズの後ろ側に小さなミラーが見えます。読み取りレンズを通った光はこのミラーで反射されてペンタ部前の金属板の内側を通ってファインダー内部に送られる様です。
取り出した絞り様のレンズはガラスではなくプラスチックのようで、裏側の表面がかなり劣化して透明度が非常に悪くなっていました。
コンパウンドで磨いてもなかなかクリアにならないので、レンズ表面にクリアラッカーを塗布するという荒技で対処しました。とりあえずレンズ表面の透明度が増せば何とかなるということで。
修理後のファインダーの内部映像です。
暗くてあまりクリアーではないですが、とりあえずは絞りの数値は読めるようになりました。
因みに、絞り窓レンズを外した方が、ファインダー中の絞り値の映像はよく見えました。レンズでなく透明アクリル板で十分な気もしますが、絞りの像を縮小表示するためにレンズになっているのでしょうか?
後は逆の順番で組み立てて終了です。
↓メカメカしい感じがgoodです。機械式なので当たり前ですが…