I.F.H.S.(IFHS)のsphereについて | Ma vie en Citroen C5 et C6 ハイドロファン シトロエンC5とC6 との日々のブログ

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ベルギーのI.F.H.S.のsphereはサードパーティー・アフターマーケットsphereとしては最も有名なものの1つだと思います。先にI.F.H.S.のsphereに言及したときに、I.F.H.S.はもうサイトが閉鎖されたのではないのかというご指摘をいただきました。そう言われて、I.F.H.S.をキーワードにネットを色々なサーチエンジンを使って検索してみたのですが、一向にそれらしい会社にヒットしませんでした。もう、ハイドロをシトロエンが止めたので、今後の事業の将来性を考えて撤退したのかもという疑念が頭をよぎりました。しかし、撤退したという決定的な情報もなかったので、ヨーロッパのシトロエンフォーラムで尋ねてみた結果、会社のメールアドレスを聞くことができました。そのメールアドレスにメールを送って会社の状況について直接聞いてみることにしました。その結果、すぐに担当のErick Elsenさんから返事が来ました。
I.F.H.S.のサイトのアドレスはhttps://hydraparts.beだそうです。また、製品の注文はorders@hydraparts.beにお願いしたいとのことでした。実はI.F.H.S.は卸売会社で同じ住所にあるNV Hydra Partsが製造を担っています。NVはオランダ語のNaamloze Vennootschap(ナームローゼ・ヴェンノーツハプ)の略で日本語の「株式会社」に当たる語です。私的にはベルギーというとフランス語圏という意識がありましたが、Erickさんの名前を見ても分かるようにNV Hydra PartsがあるLummen(ランメン)はオランダ語圏のようです。こちらのHPは更新のため、2022年は2月28日~3月4日、7月11日~7月29日、12月22日~12月30日は工事中となる予定だそうです。さらに突っ込んで質問してみたら、私たちが閉鎖されたと思っていたサイトはたぶん、Hydra Parts社のサプライヤーの1つのHPだろうということでした。私が、メールしたときも、私を日本のパーツサプライヤーの人間と勘違いしたらしく、年間・月間の販売想定数や資本金を聞かれたのはご愛敬でした。メーカーにメールを送ればそう思われても仕方ないですね。さらに調子に乗って、sphereを純正部品としてシトロエン社に納品しているかも尋ねてみました。回答は、単層のダイヤフラムを持つタイプについてはシトロエン社に納めているが、多層ダイヤフラムの製品は違うとのことでした。英仏の掲示板を見るとKYBが多層sphereを作って納めているという噂もありますが、実際のところどうなのでしょうか。ヨーロッパの自動車業界新聞Automotive Europeで日本のKYBがハイドロニューマチックのショックアブソーバーをC6ために供給していると書かれているので可能性は大だと私は考えますが確証はありません。

こちらのリンクをご覧ください。(C6のパーツサプライヤー一覧の記事です)

https://www.autonews.com/assets/PDF/CA3704129.PDF

 

 ただ、eurorepar sphereのパッケージを見るとMADE IN BE - BELGIQUE(ベルギー)の表記が…。これから推測するとメーカー純正はともかくeuroperar sphereはI.F.H.S.製なのかと思ってしまいます。ひょっとしたらI.F.H.S.ブランドでは多層膜製品は販売できないだけなのかもしれません。

  最後に教えていただいたのはI.F.H.S.の偽物が流通しているので注意して欲しいということです。下の画像をご覧ください。右と左とどちらが偽物かお分かりでしょうか。

見分けるポイントを教えてもらいました。

1.ねじ溝の形成不良(偽物はねじ山のつぶれが散見される)
2.アウターバイパスワッシャーの厚みの違い(偽物はやや厚い)
3.セントラルダンパーの仕上げの違い(偽物は粗い)
4.極めつけは偽物には実際に存在しない品番(XAはXantiaの意味で、50は50barの意味です。しかし、HSはカタログに存在しない品番です)が打たれています。

 

こちらのリンクがI.F.H.S.(Hydra Parts)の2018年-2019年のカタログです。

https://skovgaard-schmidt.dk/wp-content/uploads/2019/06/IFHS-cataloog-18-19-LR01.pdf

以上で、どちらが偽物か皆様にも分かったと思います。

 ネット通販で安いものを見つけると嬉しくなるのは、自分もよくあります。しかし、詐欺の可能性もあります。やはり信頼できるお店で購入することが大切ですし、真贋を見抜く目を養うことも大切です。かの国にはこういった偽物パーツが純正・非純正を問わずあるそうで、頭を悩ましているそうです。

 昔、ブランドバッグを買って品質が悪いと文句を言ったら偽物だったというような笑い話がありましたが、あの自動車パーツバージョンみたいな話です。本当に世界は広く、この極東の端っこに住む私たち日本人には知り得ないことも多々あるのだなと思いました。色々と教えていただいたNV Hydra PartsのErickさんに感謝です。

 

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