定理:
x_i≧0, Σx_i=x_1+x_2+…+x_n=k の条件下でのΠx_i=x_1x_2…x_n の最大値は、
全ての x_i がk/n の時の値=(k/n)^n

別記事で示した証明では、最大値の存在について大学レベルの解析学での定理を引用した。
以下では、基本のアイデアは同じだが、高校数学の範囲内で済む別証明を2つ示す。
最初にn=2 の場合について(別証明1では必ずしも必要ではない(∵別記事の証明でのn=2と同様に平方完成しても良い)が別証明2で必要な)補題を示す。
補題:
x≥0, y≥0, x+y=k, y=s+x とすると xy は s の絶対値が小さいほど大きく、特に s=0 で最大。
証明)
x+s+x=k
∴2x=k-s
∴x=(k-s)/2
∴y=(k+s)/2
∴xy=(k^2-s^2)/4 //

別証明1:n について数学的帰納法を適用する(n=2の場合は補題で成立。∴以下ではn>2としてよい)
 (n-1)変数の場合に「正の数の和が一定なら積は全て等しいとき最大」とすれば、
「制約条件(n-1)x+y=L, x≥0, y≥0の下で、V(x,y)=x^(n-1)*yを最大化」の問題を
解けばよい。yを消去すれば、「k≥x≥0で次のV(x)を最大化」
V(x)=x^(n-1)(k-(n-1)x)=-(n-1)x^n+kx^(n-1)
V'(x)=-n(n-1)x^(n-1)+k(n-1)x^(n-2)=0とすると
x=k/n
# V(x)のグラフ概形の考察により、唯一の極値V(k/n)が最大値。
x=k/n,y=k/nの時に最大。//
# V''(x)を計算してn≥3 の条件を使ってもよい。
V''(x)=(n-1)x^(n-3) * (-n(n-1)x+k(n-2))
∴V''(k/n)=(n-1)(k/n)^(n-3)(-(n-1)k+k(n-2))=-((n-1)(k/n)^(n-3))k<0

別証明2:補題を利用し、n について数学的帰納法を適用する。
case1: x_1, x_2, …, x_n の中に少なくとも1つが k/n と等しい場合
x_n = k/n としても一般性を失わない。
n-1 についての仮定から残りの x_i も全て k/n の場合の積が最大 //
case2: x_1, x_2, …, x_n の中に k/n と等しいものが存在しない場合
全ての x_i > k/n 、あるいは全ての x_i < k/n とすると矛盾。
∴ある i, j について、x_i > k/n, x_j < k/n
case2-1: x_i + x_j < 2k/n
補題により、x_i'=k/n, x_j'=x_j+(x_i-k/n) と置換した case1 の場合より積は小さく、最大ではない。
case2-2: x_i + x_j ≥ 2k/n

補題により、x_i'=x_i-(k/n-x_j) , x_j'= k/n と置換した case1 の場合より積は小さく、最大ではない。

∴case2では積が最大には成り得ず、case1での積が最大 //

 

備考:
別証明2は SX={X=(x_1, x_2, ..., x_n) | Σx_i=k, ∀x_i ≥0} 
というn個の数の組の集合 SX の任意の要素Xに対し、
SXの要素であるn個の数の組の有限列 
X_1, X_2, ..., X_j, ... , X_m (m<n) , ∀X_j∈SX が存在して、次の条件を満たすことを意味する。
X_1=X, X_m=(k/n, k/n, ..., k/n), ∀j such that 1≤j<m ΠX_j ≤ ΠX_(j+1) 
ただし、記号Πは各組の数の積を表す。
つまり、SXの要素である各組X_jについて、成分の積の大小関係を、そのまま各組の大小関係として書けば、
X=X_1≤X_2≤...≤X_m=(k/n, k/n, ..., k/n)
各組 X_j の中の k/n である成分の数が大小関係と合わせて増加する事が、有限列が取れることを保証する。

別記事でも注意したように、上記の別証明1,2は n変数の相加平均と相乗平均の証明とも解釈できる。