レン・プラの世界では。
概して古い物の方が重宝されます。
古いかどうかを判断する際、
まず目視で表面、裏面、側面などを見、
その段階で「無し!」となったら、
そこで終了(ま、当たり前ですが・・・)。
で、
目視の段階で「あり!」となった場合は、
ルーペで表面を隈なく見てみたり、
鼻を近づけくんくん嗅いだりし、
古い・新しいを判別したりします。
古い物の表面には、
「キ・フン」と呼ばれる、平たく言えば「埃」がついており、
これを人工的に付けようとしてもそれは無理で、
やはり時間をかけて、月日を経た本物とは違いますので、
重要なポイントーとなっております。
自分で「あり!」判断し、また、
上級者なプロの方々に見て貰い「テェー(本物)」とのお墨付きを貰った際、
リヤンなどに関しては自分で「綺麗」にしたりします。
プラ用語で「ラン」。日本で「洗う」と言います。
ここでは「リヤン」などのヌア・ローハッ。
すなわち「金属」の物について申し上げます。
リヤンなどを「洗う」場合、どうするか。
そのまま文字通り水でジャブジャブ洗いますと、
リヤンは金属です。
金属に水で洗うという事は、致命傷。
しかし、長年放置されたリヤンの表面には、
なんだかわからない汚れがこびり付いたりします。
「テェー」であると鑑定された以上、
少しでも綺麗な状態で身に着けたいと思うのが、
人の心と言うものです。
では、如何様にして綺麗にするかを
プラクルアンの先生方や店屋で学んだ方法を
僭越ながら伝授致します。
と、その前に・・・。
リヤンによっては、表面に黒い薬品を塗布した、
「ロン・ダム」という物があります。
これは「錆」防止の意味合いで付けられたもので、
黒ければ黒いほど良いとされています。
「ロン・ダム」の物に関しては、「決して」洗わないように、
お勧め申し上げます。
また。
ヌア・ポン(祈祷を施した聖なる粉を固めた物)、
ヌア・ワーン(霊草)などは、絶対に「洗い」ません。
自然についた「キ・フン」などはそのままにしておくのが、
プラクルアン界の常識です。
いや、それでも俺は綺麗な物が好きだ!
と仰る方はどうぞご自由にされたら良いと思います。
ちなみに・・・。
お弟子さんの内のお一人は、
私に何も相談せず、
プラクルアンがお汚れで可愛そう・・・。
と思い至り、水をつけ歯ブラシでゴシゴシしちゃいました・・・。
ああ。
また。
リヤン以外のヌア・ローハッの物。
プラ・グリンなど立体の物を洗う方もあまりいらっしゃいません。
(中には洗う方もいらっしゃいますが・・・)
これらも「キ・フン」がついているのを「良し」とするプラ常識があり、
またプラ・グリンなどはロン・ダムの物が多い事に起因すると思われます。
では下記、ラン(洗う)方法です。
★がんこなこびり付き汚れ★
プラに拠ってはその保存方法が悪く、
錆びていたり、よくわからないシミが表面についている物があります。
それはそれで「味」といえば「味」なのですが、
それを少しでも綺麗にしたい場合は、
「乳液」などねばりのあるスキンケア・クリームを
小さな透明のビニル袋に入れ(ジップロック様の物がベスト)、
そこにリヤンを入れて、袋の上から指で軽く表面を擦り、
汚れによっては長さはまちまちですが、
凡そ1日放置。
その後袋から取り出したプラについた乳液を
ティッシュペーパーで拭い取ります。
この際、決して「ごしごし」擦ったりしてはいけません。
軽く軽く何度もティッシュを新しい物にかえつつ、
おみ拭いして下さい。
★キ・フンなどの埃がついている場合★
この場合に用いるのは、
オイル・ライター用のオイルです。
所謂「ジッポー・オイル」を用います。
(タイではジッポー・ブランドよりロンソン・ブランドが多く流通しているので、
ナン・マン・ロンソン(ロンソンのオイル)と呼ばれています)。
リヤンを淵を親指人差し指中指の三本で持ち、
表面にオイルを垂らします。
全体に行き渡るよう、摘んだ三本の指で角度を変えます。
その後にティッシュで「軽く」オイルを拭きます。
この際も「決して」擦らないように注意してください。
裏面も同じ手順でオイルを垂らしティッシュで軽く拭き取ります。
次に最初よりも少な目の量を垂らし、
同じく指を動かし満遍なく行き渡させた後、
息を吹きかけて乾かします。
オイルは揮発性が高いので直ぐに乾きます。
がんこ汚れを落とす為に乳液を付けた後にも、
このオイル洗浄方法を施しますと、
表面が乾いて綺麗になります。
(プラ界では「ヘン・ディー」、「乾いてて良い」と言います)
オイルを使いますので、火気厳禁。
換気のよいところで行ってください。
尚、こちらをご覧になり、「洗った」為にプラクルアンにダメイジを与えてしまったとしても、
当方では責任は負いかねますので、自己責任でお願い致します。
以上!
画像↓
リヤン・ルアン・ポー・デーン ルン2 ワット・バンダイイット
こちらのヌアは「アパカー」と呼ばれる所謂ニッケルです。
リヤン・ルアン・ポー・クーン2530年ワット・バンライ
こちらは通称「人形工場の火事」と呼ばれていまして、
人形工場での火事があった際、このリヤンを着けていた女性だけが助かったそうです。
イーシップ・ハー・サタワッ2500年
仏暦2500年を記念してタイ全土で行われた祈祷式でプークセッされたプラです。
上記すべてのプラは「ラン」してあります。