公私共に。
私がプラ莫迦である事が浸透しており、
行く先々で、
「あ、プラのジャポン人が来た!」
みたいな扱いを受け、
光栄な次第であります。
以前書いたように、
利害関係の無い方だとまだ、
物の真贋について、
バシッと物申す事可能なのですが、
(勿論『ゲェー』の場合は気を遣いますが・・・)
これがお客様だったりすると、
非常に面倒で、
更に現地の、
ある程度高い位にいらっしゃる方だと、
もう気遣いが大変で辛い。
先般。
「最近あの人来ないけど?」
と自分が言われていると耳にし、
お得意先の現地人の偉いさん
(しかもオバハン)を久方ぶりに訊ねました。
プラ莫迦になる以前から、この方とは、
直接的なお仕事の話は放ったらかしで、
やれどこの美容院が良いだの、
やれあそこのジャポン料理が美味しいだのという話で、
1-2時間話す事はざらであったのですが、
自分がプラの世界にどっぷり浸かってからは、
所有されるプラを仰々しく開陳されていました。
現地の方は。
外国人たるジャポンの私が、
プラが好きであるとわかると、
色々と好意的にご説明、ご指南下さるのですが、
如何せんあちらは一般的な知識しか無く、
どこかのシィアンに師事し、
教えを乞うている訳では無いので、
時が経つにつれ、
複数の先生方に恵まれる、
異国人たる私の知識が、
彼等を凌駕してしまい、
私が良かれと思って、
「いや、それは違いますよ」
とか反対にお教えすると、
複雑な表情が返って来る始末で、
例えるなら、
大山総裁最後の直弟子ニコラス・ペタスに、
商店街のオバハンが「空手とは」と講義する所を想像して戴ければ、
私の申し上げている事に近しい感じであると思われ、
こちらとしては非常に居心地の悪い感じであります。
で。
現地人女性の偉いさんは私の顔を見て、
軽く久闊を叙した後、
「で、最近どんなプラを手に入れたの?」と
当然の事ながら聞かれましたので、
平生常時ぶる提げている、
ルアン・プー・トゥワッド ワット・チャンハイ
ラン・ナン・スー・ピム・レック 2506年をお見せしたところ、
「いくら?」とか直接で大胆な質問。
これぐらい地位の高い方は、
現地人の取引先から、
様様な贈り物を贈られており、
人から物を贈られるのが非常にお得意であり、
ある物について執拗に質問されるというのは、
「それが欲しい」と言っておられるに等しく、
自分はできる限り所有するプラについては、
明言を避け、一般論を弁ずるに終始。
ああ怖ッ。
勿論自室やセーフティーに保管している、
メジャーリーグ級のプラについては、
その所有すら明かさないように努めています。
一通り話しが終わりますと、
彼女はご自身も良い、貴重なプラを持っていると、
軽く自慢され、棚の上段をごそごそし、
「これはチェンマイの○○さんから貰ったとても古い物です」
ってちょっと鼻の穴をひくひくさせながら私に手渡す。
プラ・ロート。
オリジナルのプラ・ロートは、
ベンジャ・パー・キー(タイの五大お守り)の一つに数えられ、
その五つの中でも最も古い時代の物で、
1,200年前に北部ランプーン県のワット・マハーワンで発行された物。
自分はオリジナルを見た事はありませんが、
手元にあるそれはまだまだ新しいもので、
表面にゴミの様な物がついており、
プラ・クルと呼ばれるジェーディー(仏塔)から出された物のようになっていますが、
ヌアの状態から察するに50年も経っていない。
*念の為に鼻を近づけると、まだ匂いが残っている。
あああ。
でも先方は「どや!」みたいな顔をしていらっしゃり、
とてもじゃないですが、
「オバハン、これまだ新しいやっちゃで」
とは言えず、
へらへら笑いを浮かべて「良いですね~」
とお追従野郎に成り下がった私、
心に澱が溜まって。
*注釈
プラは「目で見て」真贋を判断するのが基本ですが、
匂いの有る無しで、プラの「古い」「新しい」を判断する事もあります。
また、寺院名、詳細などが書かれたプラスチックの箱で、
古い・新しいを判断する事も可能で、
プラが入っている箱の上部は透明ですが、
下部は大抵白いプラスチックであり、
時が経つにつれ、そのプラスチックが「わいて」きて、
色が黄ばんできます。
悪いヤツは、箱の中身を入れ替えて、
古いプラだけを箱無しで売り、
古い箱に新しいプラをいれて古い物だと偽り、
銭を儲けようとする不届き者も居るので注意が必要です。
勿論、寺院でチャオする場合はご心配無用ですが、
寺院の境内に店を出している所には、
偽物を売っている輩もおりますゆえ、
同じく注意が必要です。
って注釈が長すぎました。
画像↓
ワット・ラチャブラナー発行のプラ・ナンパヤー
会社の巨大ボスより下賜されたもの。
ラマ5世治世の物ということなので、
大凡100年前の物と言われておりましたが、
CTR先生の見立てでは、
本物だが、そんなに古くは無い、との事。
こういう時も困ります。ハイ。
こちらは2544年発行のプラのケース。
上蓋の手前が捲れ上がってきてます。
中身はプラ・サンカチャイ。所謂大黒様。
ワット・ボウォンニウェート発行で、
底にサンカラ(タンマユット派の頂点。日本語で言うと座主?大僧正?)
のチャン(シグニチャー)が入っています。
ヌア・ナワ(合金)で肌の色が素敵です