愛が大切、とはよく聞く話です。愛とは何でしょうか？
愛の愛たるゆえん、愛の本質
自分が都合の良い時に相手を愛することは簡単でしょう。自分が裕福な時に相手に恵んであげることは簡単です。それは尊い行為ではありますが、簡単な行為であります。また、自分が成功の途上にあって人に優しくして挙げることも、これもまた簡単なことでしょう。
しかし、例えば、自分自身が貧困にあり、その日暮らしで、大変空腹な状態で、一切れのパンがあったとします。しかし、ふっと横を見ると、自分と同じように空腹にあえいで苦しんでいる人たちがいる。そのときにあなたはどうしますか？という話です。
また、例えば、自分自身が成功したいと思い、一生懸命努力するが、なかなか道が開けない。そういったことは非常に多いと思いますが、すぐに結果を求めて、見返りを求めて、1年経ったら止めてしまうのか？それとも、１０年続けていけるのか？
また、例えば、友人のことを信頼しいつも一緒に遊んでいたけれども、なんらかの理由でその友人が自分のことを攻撃し、自分を非難する立場に立ったときに、その友人に対してやはり敵対するのか？それとも、今までと同様に思うことができるのか？
愛とは太陽のようなものであると言います。太陽は、我々人類が争おうとも、仲よくしようとも、戦争を行おうと、平和でいようとも、全ての人間に対して、善人に対しても悪人に対しても、平等にその太陽の恵みを与えています。そのような無条件の愛、無限の愛こそが、愛の本質であるわけです。
それに対して、我々人間は、自分に都合の良い時は相手を愛するけれども、自分に不都合なことが起こると、途端に手のひらを返して相手を攻撃し始める。それが我々の通常の姿でしょう。そのような姿には愛はないのです。
キリノ大統領の愛
第二次世界大戦末期フィリピンで市街戦があり、そのときにキリノ大統領（当時上院議員）の妻と次男、長女、三女の家族４人を日本軍に殺害されました。
その後キリノ氏は大統領となり、このときの最大の懸案はＢＣ級戦犯の処遇問題だったと言います。その際にキリノ大統領がとった行為はなんであったか？家族を殺害されたにっくき日本軍の処遇であれば、彼らを処刑してしまっても何ら不思議はなかったはずです。国民もそれを望んだかもしれません。
しかし、キリノ大統領は、彼ら１０５名に恩赦を与え日本に帰したのです。
「私は自分の子孫や国民に、我々の友となり、我が国に長く恩恵をもたらすであろう日本人に憎悪の念を残さないために、彼らを赦したのです。」
愛によって憎しみの連鎖を断ち切ったのです。
これに心を動かされない人間はいません。
戦争を終結させるために必要なことは愛
おそらく今現在のロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの戦争などの戦争を本当の意味で終結させるのは、そのキーワードは愛だと思います。
この愛を私たちは、世界中に訴えかける必要があるでしょう。そうすることで愛と言う新たな認識を人類が持つことによって、そのことによって、世界平和は時間を経て達成されるだろうと思います。
マザーテレサは「傷つくまで愛すること」と言いましたが、今まさに人類の向かう道しるべとなる言葉と言えるでしょう。
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