2/6(火)のザ！世界仰天ユースはJR西日本の福知山線の脱線事故についてでした。2005年4月25日に起こった107人が亡くなった脱線事故になります。
この事故について私は深い背景は知らなかったのですが、このザ！仰天ニュースで詳細が解説されていました。
総じていうと、現代資本主義の暗部が現れた事故であったと思います。
福知山線事故の背景
当時のJR西日本はJR東日本やJR東海に比較して、経営基盤が弱かったようです。関西が私鉄王国でJRのシェアが相対的に小さかったようです。
そこで、JR西日本は私鉄からシェアを奪うために、徹底的な効率化を図ります。そのために徹底的に電車のタイムスケジュールを見直しました。
もともと、電車のタイムスケジュールは、3つの要素、つまり、①電車の走っている時間、②電車の駅に停止している時間、③余裕、この3つによってできていたようです。
しかし、JR西日本は、電車運行を効率化することで他社からシェアを奪うことに必死になり、「③余裕」の時間を削除してしまったようです。つまり、運転士を厳しく教育すれば、効率的に動いてくれるので、そんな余裕なんて必要ないだろう。そのように思い、教育を厳しくすることで、余裕を排除する。それを実際に行ったようです。
そして、この福知山線の脱線事故を起こした運転士は、数か月前にミスを行い、徹底的な再教育を受けることとなりました。それは日勤教育と言われるらしく、徹底的に自己批判を行うのです。みんなのさらし者にされ、徹底的にプライドを傷つけられ、結果として、失敗を極度に恐れる怯えた運転士を育てることとなりました。
この運転士は脱線事故当日も脱線事故の直前にミスをしてしまいました。それだけでも、正常な状態ではいられませんが、JR西の当時のパワハラは上記の通り異常であり、「このままではまた上司に怒られる。そして、あの地獄の日勤教育を受けなければならない。運転士資格もはく奪されてしまう。それだけは嫌だ！！」、その恐怖が絶頂に達し、正常な判断力を失い、カーブに116kmで飛び込み、ブレーキのタイミングを失い、あの事故を起こしてしまったのです。
効率化資本主義の限界と経済変革
結局は、効率化資本主義がこのような悲劇を生んだ、と言えると思います。
もちろん、107名の死者が出ている以上、その107名の方がたのご冥福をお祈りし、ご家族や友人などの悲しみも計り知れないものはあります。しかし、その運転士もまた一人の犠牲者であると思えるのです。
市場シェアが低く、需要が少ないために、生き残りのために必死にならなくてはならない。それゆえに、余裕をすべて排除し、ミスのできない状況に追い込み、結果として、失敗を起こしやすい状況を作ってしまった。
最近話題になっているビッグモーターも同じような話となります。彼らも結局のところ、売上や利益が欲しいのです。シェアを獲得したい、売上を上げたい、利益を上げたい、そうでないと生き残れない。それゆえに、あのような不正や従業員への過剰なパワハラを行うのです。
人類はもう少し、余裕を持つ必要があるでしょう。肩の力を抜いて、余裕を持って、流れる空の雲をのんびり眺めるようなそのようなおおらかな心を持つ必要があると思います。
経済の変革が今こそ、必要であると思うのです。本当の意味で人類を幸福にする経済を作っていかなければなりません。
ここに関しては、また別途記載してみたいと思います。
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