数学には重要な未解決問題として、ミレニアム懸賞問題というものがあります。アメリカのクレイ数学研究所が2000年に100万ドルの懸賞金をかけた問題です。7つの問題があります。
・P≠NP問題
・リーマン予想
・ナビエーストークス方程式の解の存在と滑らかさ
・ポアンカレ予想
・バーチ・スウィンナートン=ダイア―予想
・ホッジ予想
・ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ
例えば、ナビエ-ストークスの方程式の問題は、ウィキペディアによると、「3次元空間と(1次元の)時間の中で、初期速度を与えると、ナビエ–ストークス方程式の解となる速度ベクトル場と圧力のスカラー場が存在して、双方とも滑らかで大域的に定義されるか。」と書かれ、また、ポアンカレ予想は、「単連結な三次元閉多様体は三次元球面に同相である」と書かれています。
一つ一つの単語の意味すら分からず、問題を解くどころか、この問題が何を言っているのかすら分からない、スタート地点にも立てない、というのが正直なところでしょう。
リーマン予想
リーマン予想とは以下のことです。
「リーマンゼータ関数の非自明な零点(ゼロ)の解は、実部が1/2上にある」
極簡単に説明してみましょう。
まず、リーマンゼータ関数とは、以下で定義される関数です(ウィキ参照)。
このSが複素数で定義されているのです。
そして、零点とは、イコールゼロのことであり、上記式がゼロになるSの値ということです。
このリーマンゼータ関数を解析接続という手段によって、定義域の範囲を拡大したときに、イコールゼロになる明らかなSは分かっているのです。それが自明な零点、ということです。
ただ、明らかでない「非」自明な零点となるSはどこにあるか分からず、でもどうやら、Sという複素数の実数部分が1/2上にありそうだ。これがリーマン予想です。
リーマン予想がなぜ重要か?①数学的重要性
リーマン予想がなぜ重要かというと、リーマンゼータ関数が素数に関連しているからです。
以下オイラー積という無限積(ウィキ参照)がありますが、この式はp:素数で定義されており、これが上記リーマンゼータ関数とイコールなのです。
従って、リーマンゼータ関数が何かしら法則性があるのであれば、このオイラー積も何かしら法則性がある、つまり、素数にも何かしら法則性があるということが導かれるのではないか?と考えられるわけです。
素数は無秩序にランダムに出てくるように思えるわけですが、素数分布に何かしら法則性があるのかもしれない。そのヒントをリーマン予想が与えてくれる可能性があるため、リーマン予想が重要であるということです。
リーマン予想がなぜ重要か?②物理学的重要性=宇宙解明にとっての重要性
単に素数分布の話だけではいまいちピンとこないかもしれません。
ところが、このリーマン予想が物理学的にも関連性があることが分かったのです。
つまり、リーマン予想に従って、1/2上の素数分布を調べると、その分布がある間隔になっていることが分かります。
この間隔が、物理学的には、ウランなどの原子核のエネルギー間隔と同じであることが分かったのです。
フリーマンダイソン博士(物理学者)とヒューモンゴメリー博士(数学者)がそれを突き止めたわけです。
数学上の問題と思われた素数問題が現実の素粒子に関連しているのではないか?ということが分かったのです。
素粒子とは粒子の根源と言われているものですから、その性質を説き明かすことは、宇宙を説き明かすことにも等しいと言ってよいでしょう。
つまり、リーマン予想は、宇宙解明のヒントになる可能性がある。それ故に、大変重要であると言われているわけです。
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