松下幸之助は、クリスチャンではないが、教えられることは多い。

障がい者就労事業所ホープでの研修に、彼の人生訓をよく使わしてもらっている。

恵まれた環境に育った人の言葉だと、「自分には無理、自分には関係がない」となってしまうが、松下さんは、恵まれない中で育ち、切り開いてきた。

家にお金がなく、9歳で単身丁稚奉公、小学校4年中退で学問なし、病気がち等の「ないない尽くし」だったがゆえに、説得力を持つ。

 

私が、特に好きなのは、聖書のキーワードでもある「感謝」の達人だったということである。

 

ある時、体の調子が悪く、精神的にも心労を覚え、心寂しさを感じていたことがあったそうです。

ある友人に相談すると、「あなたは少し憂うつ病にかかっているのではないか」と言われる。

そして「その原因は簡単や。あなたは喜びを知らんのや。ありがたさを知らんのや。言いかえると感謝の念が足りないから、そのような寂しさに陥るんや」と言われる。

 

私も、会社で働いていた時は、10年に一度は、うつ状態を経験し、その大変さも理解しているが、ある意味、この友人は、勇気をもってアドバイスしていると思う。単に同情するのではなく、彼のことを思い、直言したのだろうか。

 

結果、松下さんは、友人の言葉を素直に受けとめ、反省し、それからはあらゆることに感謝できるように心を磨いてきたという。

そして、大いにやらなければという気持ちを取り戻し、まわりの人をより大切に思えるようになったといいます。

 

幼い頃から貧乏して辛い思いを経験させてもらったからこそ、人を物心両面から豊かにすることを目指して、おかげさまで成功できた。

自分には学問がなく何も知らないからこそ、人の話をよく聴いて、みんなの知恵を集めて、おかげさまで成功できた。

自分は体が弱かったからこそ、人に助けてもらい、おかげさまで成功できた。

貧乏も、学歴のなさも、病弱だったことも、自分にふりかかってくるものすべてを「自分は運が強い」「これらすべてプラスになる」とポジティブに感謝してきた。

何よりも、まわりの人のおかげだという感謝の気持ちを忘れない。

 

事業所ホープには、障がい者が働くために、毎日通ってくる。

彼から学ぶことは多い。

前向きに積極的に生き、働きたいものです。

 

「毎朝床から起きたら、たとえ好きだろうと嫌いだろうと、何か一つやるべき仕事があることを神に感謝しよう。

 何が何でも働き、何が何でもベストを尽くせば、やがては節制、自制心、勤勉、強固な意志、満足感といった、怠け者には想像もつかないような、もろもろの美徳が備わるようになる。」 

チャールズ・キングズリ (イギリスの聖職者・作家、18191875

 

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