自転車事業への取り組み過程は、障がい者のメンバーにも良い経験になったと思う。この事業を始めた時、私を含め、ノウハウも専門家も何もかもなかった。その後、メンバーも一緒にマンションへ不要自転車回収の個別訪問から始まり、そして実際の回収作業、駐車場での整備作業、そして自分が手がけた自転車が、一台二台と目の前でお客さんが買っていく…等、一歩一歩、階段を上ってきた。メンバーは、その目撃者である。

途中メンバーにもいろいろな困難もあった。マンションからの回収作業の際、管理人との対応で嫌な思いをする。自転車整備や販売が、はたしてできるだろうか、自分には無理だと思った人もいる。他の中古自転車店を見て、急に自信がなくなり恐れも生じて、ホープでは、他社のようなことは出来ない、売れても三千円程度と思った方もいる。途中で事業所をやめて行く人もいた。すぐには結果が見えないからだ。

しかし、前向きな感想を持たれる方が、一人二人と現われてくる。自転車整備は余計な事を考えず集中できる、きれいに再生されていくのがたまらない、自分に可能性を感じる、そして、自分が丹精込めた自転車が、目の前でお客さんが買ってくれる。しかも平均七千円以上もする商品だ。達成感と充実感。感謝の気持ち。今までの人生で失敗体験のイメージしかなかった人が、成功体験を得る。自信が生まれ始める。ネガティブに考えがちだった自分の心が、変わり始める。責任感も生まれてきた。途中であきらめないでよかった。…

 

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