精神障がい者については、先進国では数十年前から病院での隔離政策をやめ、社会の中で生活することへ政策転換がなされている。しかし日本では、遅ればせながらその方向性に、国の指針を打ち出してはいるものの、残念ながら遅々として進んでいない。急に入院患者が減ることによる病院の経営問題もあり、国としての具体的な誘導策も不十分だと言われている。

経済協力開発機構(OECD)の報告書のデータ(二〇一二年)によると、我が国の精神病床数や平均入院日数は、突出して高い。OECDの調査によると、千人当たり一床を超えているのは、ベルギー、オランダと日本の三国のみで、二床を超えているのは世界で日本だけで二.七床にもなる。アメリカやドイツ、イタリア、カナダ等は〇.五床を下回っており、日本の五分の一以下だ。

 また、世界で精神病床の平均在院の平均が五十日を超えているのはポーランドと日本だけで、百五十日を超えているのは日本だけ。世界中のほとんどの国で、精神病患者が五十日以内に退院しているのに、日本では二百九十六日もかかるというのは国際的にみると明らかに異常といえる。残念ながら日本では、長く続いていた隔離政策からいまだに抜け切れていないのだ。こういった事情は、私自身この仕事を始めてから分かったことで、国民の多くは事情を知らないと思う。

カナダでの体験や日本に依然として存在する偏見の実情がわかり、多くの方が往来する中心街で就労支援事業所を開き、障がいを持たれている方々との共生社会の必要性を発信していきたいとの思いが強まった。障がい者事業に携わるからには、その責任があると思った。

そのことをアピールするために、目立つ大きな看板を設置し、「障がい者就労支援事業所ホープ」を大きく表示し、障害者のための事業所であることを明らかにしている。

さらに、私達の活動理念である御言葉

マタイ2239

あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ

を併記表示している。

 

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