先日、子宮筋腫に対するサプリとしてカテキンが効くかも、というブログを書きました。
その中で「Dカイロイノシトール」という余り聞き馴染みのないサプリが出てきたので、調べてみたところ、婦人科的に他にも効果が期待できる報告が見つかりました。
特に「PCOS: 多嚢胞性卵巣症候群」に対する効果がありそうなので、見ていきたいと思います。
※PCOS: 多嚢胞性卵巣症候群
卵巣が排卵しづらいために生理不順になったり、男性ホルモンが高い事が多く、その結果として多毛になる事があります。
この論文では、PCOSの患者さんの生理周期に対するピルの効果と、「ミオイノシトールとDカイロイノシトールを合わせたサプリ」の効果を比較しています。
対象
PCOSにより生理周期が長い15〜24歳の女性70名。
ピル(ヤーズ)を内服する群と「ミオイノシトール550mgとDカイロイノシトール150mgを合わせたサプリ」を1日2回内服する群に分かれてもらい、6ヶ月内服してもらいました。
結果
月経周期は
サプリ群: 124.54日→ 57.75日
ピル群: 105.88日 → 30.53日
と、いずれの群も短くなっていました。
生理周期が規則正しくなったのは
サプリ群: 9人(27.27%)
ピル群: 30人(88.23%)
と、ピルの方が効果は高くなっていました。
半年の治療終了後3ヶ月してから生理が自然に来る割合は
サプリ群: 24人(85.71%)
ピル群: 25人(73.53%)
と、ほぼ同等でした。
また、インスリン抵抗性という指標はサプリ群の方が改善していました。
※インスリン抵抗性: PCOSの方はインスリンの働きが弱くなる傾向があり、将来的に糖尿病になるリスクがあるため、食生活や運動習慣に注意が必要です。また、定期的な健康診断で糖尿病の検査を受けることも大切です。
以上のように、PCOSの生理不順に関しては、ピル以外にイノシトール・Dカイロイノシトールと言ったサプリも一定の効果があると言えそうですね。