以前、子宮筋腫がお茶に含まれるカテキンで縮む話をしました。

 

 



 

 

 

その後、外来で実際にカテキンをオススメしていて、実際に筋腫が縮んだ方もいれば、それほど変わらないという方やサプリがなかなか続けられない方もいたりして、確実にカテキンで筋腫が縮むという強い実感が持てずにいるのですが・・・

 

 

とは言え、海外では引き続き筋腫とカテキンに関する関係を調べた報告が続ているので、今回はそれらを見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

対象

 

40歳以上の閉経前女性16人。3~10cmの子宮筋腫がある方を対象に、1日あたりEGCG:300mg、ビタミンB6:10mg、ビタミンD:50μgを90日間内服してもらいました。

 

(ビタミンDのサプリを調べてみると、単位が「IU」となっています。1μg=40IUなので、50μg=2000IUとなります)

 

 

 

結果 

 

患者さん毎に評価すると、筋腫のサイズが17.8%縮小しており、一つの筋腫あたり37.3%縮小していました。筋腫の位置では、漿膜下(子宮の外側)より筋層内の方が、より縮小効果が大きい結果でした。

 

生理周期の乱れや生理痛の強さ、生理の量には変化が見られませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

対象

 

4cm未満の筋腫を少なくとも1つ持っている、出産可能年齢の女性95人。41人はビタミンD 25μg + EGCG 150mg + ビタミンB6 5mgの錠剤を毎日2錠、4カ月間服用し、対照群の54人は治療を受けませんでした。

 

 

結果

 

治療後、筋腫の体積は37.9% 減少しました。一方、対照群では筋腫の体積が 5.5%増加しました。

 

 

 

いずれも、カテキンとビタミンを併用することで、子宮筋腫が小さくなる結果が認められました。

 

 

 

一方で、カテキンだけでは筋腫が縮まなかった、という報告もあります。

 

 

 
 
平均年齢45歳の25人が緑茶抽出物を6カ月間内服したものの、筋腫の大きさは変化しませんでした。
 
こちらの論文では、どれくらいの量のEGCGを内服していたのか、詳細がわかりませんでした。

 

 

 

以上の事から、子宮筋腫を縮めるにはEGCGだけではなく、ビタミンを併用することが、より有効である可能性が考えられます。

 

 

 

なかなか確定的なことは言えないのですが、ピルなどのホルモン治療や外科的治療が選択肢としてある中で、副作用などでそれらを選べない場合に、カテキンとビタミンのサプリを試しているのは、一つの選択肢として考慮してもよさそうですね。