以前、コロナワクチンを接種することで赤ちゃんの奇形が増えるかどうかを検証したデータをご紹介しました。
結論として、コロナワクチンによって赤ちゃんの奇形は増えない、と言うものだったのですが、妊娠中のコロナワクチン接種と赤ちゃんへの影響についてのデータが新たに出てきたので、見ていきたいと思います。
この論文では、2021年6月から2023年1月までにノルウェーとスウェーデンで生まれた赤ちゃんについて調べています。
対象
196,470何の赤ちゃんのうち、94,303人(48.0%)が妊娠中にコロナワクチンを接種した妊婦さんから生まれていました。
結果
出血/血栓、炎症/感染、中枢神経の病気、循環・呼吸・胃腸関係の疾患、新生児死亡について、ワクチン接種の影響は認めませんでした。
それだけでなく、
・非外傷性の頭蓋内出血: 0.78倍(1,000人あたり1.7人 vs 3.2人)
・低酸素による虚血性脳症: 0.73倍(1,000人あたり1.8人 vs 2.7人)
・新生児死亡: 0.68倍(1,000人あたり0.9人 vs 1.8人)
と、いくつかのリスクが下がっていました。
妊娠中のワクチン接種による新生児死亡率の低下は、妊娠前のワクチン非接種群、妊娠前のワクチン接種群、妊娠中にコロナ感染していない妊婦さんと比較しても同様の結果でした。
満期に生まれた、先天奇形のない赤ちゃんに限っても同じ傾向でした。
以上のことから、妊娠中のコロナワクチン接種によって、生まれてくる赤ちゃんへの悪い影響は考えにくく、理由はわかりませんが、頭蓋内出血・脳症・新生児死亡と言った重篤な結果のリスクまで下げる可能性が示されました。
五類に分類されて以降、感染者数の報道もなくなり、マスクも任意となって、コロナに対する警戒が緩くなってきてはいますが、継続して妊娠中のコロナ感染は以下のブログのように一定のリスクを伴います。