血液検査で貧血を指摘された時に見る値としては「ヘモグロビン」という項目になります。


生理の量が多いと、ヘモグロビンの値が下がってしまい、息切れや疲れやすさの原因になったりするのですが、それ以外の貧血評価として「フェリチン」という項目があります。



フェリチンは、体の中に鉄を蓄えておけるタンパク質で、体の中の鉄が足りなくなると、フェリチンが鉄を補給する働きを担います。



そのため、ヘモグロビンの値はまだ保たれているのに、貯蔵鉄であるフェリチンだけが少なくなって「潜在性鉄欠乏性貧血」と呼ばれる状態になる事は珍しくありません。



そこで、今回はフェリチンの値と偏頭痛が関係するのではないか、という報告を見つけたのでご紹介したいと思います。






この論文では、内服薬が必要になるくらいの片頭痛がある人と、片頭痛や貧血がない健康な人を100人ずつ集めて、フェリチンの濃度を比較しています。


その結果、女性ではヘモグロビン、フェリチンの値が片頭痛のある人たちで明らかに低かったものの、男性ではそのような傾向は認めませんでした。


そのため、片頭痛のある女性では、鉄のサプリが有効な治療法になるのではないか、という結論になっています。







こちらの論文でも、片頭痛や激しい頭痛と食事から摂取する鉄やフェリチンの数値の関係について調べています。


対象

20歳以上のアメリカ人7,880人


結果

20〜50歳の女性のほとんどが、食事から摂取を推奨される鉄の量を下回っており、摂取量が少ないほど、片頭痛・激しい頭痛は増えてました。


50歳以上の女性では、フェリチンの値が低いほど片頭痛・激しい頭痛は増える一方で、男性では食事からの鉄の摂取量、フェリチンと頭痛の関係は認めませんでした。



一つ目にご紹介した報告同様、男性では鉄と片頭痛の関係は認めないものの、女性では一定の関係があると言えそうです。




ただ、実際にフェリチンの低い方が鉄のサプリを内服することで片頭痛が改善した、という報告ではないため、確実な治療法とまでは言えないのが現状ではあります。



鉄のサプリ自体はそれほど高価なものではないので、もし頭痛に悩まれている女性の方であれば、試しに内服してみるのもいいかも知れません。



ちなみに、以下で紹介している「鉄のサプリ」ですが、病院で処方される鉄剤や、日本で作られている鉄のサプリに比較して、フェリチンの数値をかなり改善する効果が期待されるものになります。


胃腸症状などの副作用も出づらいものになるのですが、一方でフェリチンの数値を上げ過ぎてしまうリスクも伴います。


そのため、こちらのサプリを内服される場合は、必ず定期的に血液検査でフェリチンの数値を調べるようにしてください。



ちなみに、健康診断などの貧血チェックではフェリチンの数値が入ってなかったり、一般的な貧血検査では採血項目にフェリチンが入らないことも。



もし、サプリ内服中の採血を受ける場合には、フェリチンの数値も調べたい、と伝えるようにしてくださいね。