先日、ダイエットのための使用で問題視されている糖尿病治療薬が、妊娠に与える影響についてブログを書きました。



そこで、今回はまた別の糖尿病治療薬とダイエットの関係についてのデータを見ていきたいと思います。



今回取り上げる糖尿病治療薬は


メトホルミン


という薬です。



これは、糖尿病の治療だけでなく、不妊治療の中で排卵を助けるために使われる事もある薬になります。






対象

BMI:27以上の154人に1日最大2,500mgのメトホルミンを6ヶ月内服してもらいました。何も内服しない45人を比較対象としました。


メトホルミンを内服する前にインスリン抵抗性という数値も調べています。



インスリン抵抗性: インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態のことを「インスリン抵抗性が高い」と表現します。


この状態だと、インスリンが分泌されても血液の中の糖が取り込まれないため、血糖値が高い状態が続きます。




結果

メトホルミン治療群: 5.8±7.0 kg (5.6±6.5%)

非治療群: 0.8±3.5 kg (0.8±3.7%) 


インスリン抵抗性のある方では、より体重減少が顕著でした。体重減少の比率は、年齢や性別、BMIの影響を受けませんでした。



このように、BMI27以上の人がメトホルミンを半年間使う事で5%前後の体重を減らすことができそうです。



メトホルミンは糖尿病や不妊治療に対しては保険適応があるのですが、ダイエットに対しては自費治療となります。



今回のデータでは半年間の治療になっていますが、それ以上の使用に関してはデータが見つかりませんでした。


半年間という短期間での効果はあると思いますが、ダイエットで大切なことは、その体重を維持していくことなので、リバウンドしてしまっては意味がありません。


今回のメトホルミンに関しては、ダイエットを始める足掛かりとして考えてもらい、並行して食事や運動を見直していくのが大切になります。



短期間で結果を出すための食事や運動ではなく、年単位で継続していけるような食事や運動習慣をトライした上で、メトホルミンのような治療薬を検討して下さいね。