先日、生理前の調子の悪さである月経前症候群:PMSについて、亜鉛の濃度が少ない事が影響しているのかも、と言うブログを書きました。
その後、何人かのPMSで悩んでいる方に亜鉛の採血をしてみたのですが、確かに亜鉛濃度が低い方がいて、亜鉛サプリを試してみるようにオススメしている所です。
もし、これでPMSが改善する方が増えてくれば、非常に有効な治療法になるのですが、もう少し人数が集まったら改めて検証してみたいと思います。
そこで、今回は他に亜鉛濃度が婦人科領域に関連している事はないかと調べてみたところ、不妊症に関する論文が出てきたので、見ていきたいと思います。
この論文では、2013年から2018年にかけて、亜鉛摂取量とBMI、そして何故か家庭用殺虫剤も加えて不妊との関係を調べています。
あまり家庭用殺虫剤が何かに影響していたという論文を見た事がないので、なぜここで取り上げられているのか、よくわからないのですが、ひとまず内容を見ていきたいと思います。
対象
2013年から2018年にかけて、アメリカで追跡された29,400人
結果
家庭用殺虫剤に暴露されていると不妊リスクが1.56倍になっていました。
そのうち、亜鉛接種量が1日8mg未満では不妊リスクが2.38倍だったのに対し、1日8mg以上では不妊リスクが0.98倍と、家庭用殺虫剤による不妊リスクを亜鉛の豊富な食事が低下させている可能性が考えられました。
同様に、BMIが28未満では不妊リスクが0.90倍だったのに対し、BMIが28以上では不妊リスクが2.23と、家庭用殺虫剤による不妊リスクがBMIに影響を受ける可能性が考えられました。
以上のことから、家庭用殺虫剤による不妊リスクは日頃の食事に含まれる亜鉛と、BMIに影響を受けるのかも知れない、と言う結論になっています。
亜鉛と不妊症に関するデータを見たかったのですが、思いがけず家庭用殺虫剤という不妊リスクの可能性に突き当たりました。
もう少し家庭用殺虫剤については調べていきたいと思うのですが、ひとまず妊娠を考えている方は、家庭用殺虫剤の使用回数を減らしたり、亜鉛を積極的に摂取する、体重コントロールを試みる、と言うところから始めてみてはどうでしょうか。