先日、妊娠中、特に出産時にコロナに感染するリスクについてブログを書きました。




出産時にコロナに感染すると、様々なリスクが上がってしまう、という結果だったのですが、今回は体外受精で妊娠した初期にコロナに感染したリスクについて、見ていきたいと思います。



https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002937823021713



この論文では、体外受精/顕微授精をした方の中で、胚移植後10週間以内に新型コロナに感染した場合の妊娠初期への影響を調べています。



対象

BMI:18〜30で、20〜39歳の女性857人。2022年9月〜2022年12月に体外受精/顕微授精を行い、2023年3月までフォローしました。

胚移植からコロナ感染までの日数を14日以内、28日以内、10週間以内に分けて比較しています。



結果

・胚移植から14日以内の感染: 化学的妊娠率に明らかな影響なし

・胚移植から28日以内の感染: 胚移植率や臨床的妊娠率に明らかな影響なし

・胚移植から10週間以内の感染: 初期流産率に明らかな影響なし



以上のことから、胚移植10週間以内の新型コロナ感染が妊娠初期の経過に影響する可能性は低そうだと言えそうです。



ただし、対象となったのが「BMI:18〜30で20〜39歳の体外受精/顕微授精」による妊娠に限っている事には注意が必要です。



今回のデータに関しては、妊娠初期に新型コロナに感染し、仮にその後に流産したとしても、感染した事が原因じゃないか、と過剰に後悔するようなことがないように解釈してもらえれば、と思います。