以前、生理前の調子の悪さである月経前症候群=PMSに対して、カルシウムやビタミンDが効くかも、というブログを書きました。
そこで、今回は同様にPMSに対して効果が期待できる別のサプリをご紹介したいと思います。
こちらで評価しているのは、亜鉛のサプリとPMSについてです。
対象
イランの大学寮に入っていてPMS症状のある18〜35歳の女性69人
220mgの亜鉛サプリを毎日内服する33人(平均年齢25.64歳)と、プラセボ(何の効果もない粒)を毎日内服する36人(平均年齢24.38歳)に分かれてもらい、24週間内服してもらいました。
結果
亜鉛サプリ群では、24週間の内服によりPMS症状として
イライラ、不安、落ち込む、過食、胸の張り、頭痛、筋肉痛、お腹の張り、体重増加
が明らかに改善していました。
また、24週間の亜鉛内服により、友人や同級生、同僚との関係性も明らかに改善していました。
この論文だと、1日220mgの亜鉛と記載があるので、量が非常に多いな、と思ったのですが、次の論文で詳しく記載がありました。
対象
20〜35歳のPMSがある142人の女性。亜鉛内服群は、220mgカプセル(亜鉛を50mg含有)を生理16日目から次の生理と2日目まで内服しました。
(一つ目の論文で、亜鉛220mgとあったのは、この論文のように50mgの亜鉛を含んでいるカプセル、という事でいいと思います)
結果
PMS症状が中等症〜重症の割合を1ヶ月ごとに観察すると、
亜鉛内服群: 9.5%→6%→2.6% と月を追う毎に少なくなっていました。
一方で、プラセボ群では、14.2%→13.7%→13.5%と、ほとんど変化は認められませんでした。
身体的・精神的な側面でのQOLを評価したスコアでは、亜鉛内服群の方が明らかに改善していましたが、内服してから3ヶ月してからはっきりとした違いが出ていました。
以上、二つの論文からPMSに対しては、亜鉛のサプリが一定の効果を示しそうだ、と言えますね。
ちなみに、亜鉛の1日摂取量の上限は40mgとされていて、過剰摂取では、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃痙攣、下痢および頭痛などの症状が出る可能性もあります。
今回の論文では、1日50mgとやや量が多いのですが、生理前の期間と限られているため、それほど問題にはならないかと思います。
ただ、その効果は人それぞれですので、まずは少ない量から試してみて、どの程度の量が必要になるかを調整してもらうのが良さそうですね。