以前、バルトリン腺という部分が腫れた場合の治療法として、「開窓術」と「リングカテーテル法」についてブログを書きました。



そこで、今回は「開窓術」と「リングカテーテル法」に加えて、「バルーンカテーテル法」というものを見つけたので、見ていきたいと思います。



開窓術は、バルトリン腺の部分の皮膚を少し大きく切り開いて、分泌物が自然に出てくるような通り道を作る方法です。


また、バルーンカテーテル法は、このような風船が付いた管をバルトリン腺の中に留置する治療法です。







バルトリン腺は、中に分泌物が溜まってしまうのが問題なので、このようなカテーテルをしばらく留置することで、分泌物が出てくる通り道が再び塞がらないように確保するのが治療の目的となります。



ちょうどピアスの穴が完成するのを待つようなイメージですね。



そして、このバルーンカテーテルと「開窓術」を比較した論文がこちら。






対象 


2010年〜2014年にかけて、開窓術を受けた79人と、バルーンカテーテル法を受けた82人



結果


1年以内の再発率 

 開窓術: 8人(10%) 

 バルーンカテーテル法: 10人(12%)

  

どちらも再発率は同じ程度で、治療後の痛みも同じ程度でした。


治療後24時間以内に鎮痛薬を使用した割合

 開窓術: 74%

 バルーンカテーテル法: 33%



このように開窓術もバルーンカテーテル法も、ほぼ同じ再発率が期待できる、と言えそうですね。



ただ、一旦問題があるとすれば、最初に絵で示したようなバルーンカテーテルが日本では発売されていない、ということ、、、


別のものを使おうとするなら、こういう膀胱に入れて尿を出すためのカテーテルを使う形になるので、かなり長い管がお臍近くまで伸びている状態で過ごしてもらう必要があるので、あまり現実的ではないですね。



ひょっとしたら、この管を風船を膨らませた状態で、カテーテルの途中でキツく糸で縛ってしまえば、カテーテルを途中で切ってしまっても、風船が膨らんだ状態を維持したまま過ごせるかも知れませんが、、、



もし開窓術を受けても再発を繰り返してしまって、バルトリン腺そのものを摘出しないといけないという状況であれば、こう言ったバルーンカテーテル法を試してみても良いかもしれません。



ちなみに、バルトリン腺開窓術は3割負担の保険診療で自己負担は約1万円程度になります。