先日、お酒を飲む量が多いと子宮筋腫が大きくなる可能性についてブログを書きました。





そこで、今回は子宮筋腫と喫煙についての関係を見ていきたいと思います。






対象

23〜34歳の黒人もしくはアフリカ系アメリカ人で、子宮筋腫を指摘されていない女性。


おおよそ10年間で4回のフォロー毎に超音波検査で子宮筋腫の有無を調べました。


喫煙に関しては、受動喫煙も含めてアンケート調査で調べています。


結果 

調査開始時に子宮筋腫のなかった1,252人のうち、394人(31%)が新たに子宮筋腫を指摘されました。


現在喫煙している人では、子宮筋腫のできる確率が0.67倍でした。


喫煙期間で比較すると、喫煙した事がない人に比べて、15年以上喫煙している人では、子宮筋腫のできるリスクが0.49倍とさらに低くなっていました。


以前喫煙していた人では、リスクはあまり変わりませんでした。


全く喫煙した事がない人の中で、現在受動喫煙のある人でもリスクは変わりませんでした。


子宮筋腫が大きくなるかどうかについても、現在と過去の喫煙は影響していませんでした。



以上のことから、現在喫煙している人では、新たに子宮筋腫ができる確率が低くなる可能性があると言えそうです。



医学的には「喫煙によって子宮筋腫のリスクが上がるので、頑張って禁煙しましょう」と言いたいところなのですが、今回のデータでは全く逆の結果になっていました。



おそらく子宮筋腫に作用するエストロゲンという女性ホルモンが喫煙により減少するために、新たな子宮筋腫の出現を抑えているのではないかと思われます。




子宮筋腫の人数を見てみると、年々増加傾向にある事がわかります。








そこで喫煙率の変化を見てみると







20代、30代の喫煙率が、2005年には18%前後だったものが10%を切るまでに年々下がってきている事がわかります。




喫煙以外に原因がある可能性はありますが、喫煙率の低下が影響している可能性は十分考えられそうですね。



当然ながら、子宮筋腫予防のために喫煙しましょう、というわけではないのですが、自覚症状がないまま子宮筋腫が出来ている可能性もあるため、定期的な検診を受けるようにしてくださいね。