何回か異形成に対する治療として、海外で行われているものを紹介してきました。







そこで、今回は日本でも利用できそうなものがあったので、論文を見ていきたいと思います。







こちらの論文では、異形成に対してビタミンDのサプリによる効果を調べています。



対象


軽度異形成と診断された58人に29人ずつのグループに分かれてもらいました。




一方は、50,000IUという量のビタミンDを2週間に1回、6ヶ月に渡って内服する群、もう一方は、プラセボ(何の効果もない錠剤)を内服する群です。



結果


6ヶ月後の軽度異形成の改善率

・ビタミンD群: 84.6%

・プラセボ群: 53.8% 



6ヶ月後の血中ビタミンD濃度変化

・ビタミンD群: プラス12.3ng/ml

・プラセボ群: マイナス0.1ng/ml


というように、ビタミンDの内服で軽度異形成の改善効果が見込める結果でした。




実際の日本で販売されているビタミンDのサプリを見てみると、1粒あたりの量が1000〜2000IUというものがほとんど。



厚生労働省でも、ビタミンDの1日摂取量が最大4,000IUと指摘しています。







そう考えると、この論文で検証されている50,000IUというのは、2週間ごとの内服と言えど、かなり高容量であることがわかります。



毎日の摂取量の上限4,000IUも、2週間内服すれば50,000IUを超えてくるとは言え、一度に50,000IUという摂取がどう影響するかまで、はっきりとしたことは言えず、申し訳ありません。



この論文での29人には明らかな健康被害はなかったようなのですが、かなり人数は少ない検証ではあるので、せめて1日4,000IUという上限を守って内服してもらうのが、安全な手段かも知れません。