妊娠初期に「どれくらい運動していいのか」というのをよく聞かれます。



そこで、今回は妊娠中の運動による影響について見ていきたいと思います。







この論文では、妊娠中の運動と妊娠高血圧症候群の関係について調べています。



対象

妊娠23週までに30〜60分の有酸素運動を週2〜7回行った5,075人の妊婦さん



結果

妊娠高血圧症候群のリスク


・運動群: 5.9%

・非運動群: 8.5%


と、運動する事でリスクが0.7倍になっていました。



妊娠中の高血圧は


・運動群: 2.5%

・非運動群: 4.6%


と、リスクが0.54倍と、かなり低くなっている一方で



妊娠高血圧腎症(高血圧に加えて蛋白尿などが合併して、妊娠高血圧より重症なもの)は


・運動群: 2.3%

・非運動群: 2.8%


と、大きな違いはありませんでした。




帝王切開のリスクは、運動する事で16%低くなっていました。




以上のことから、妊娠中に30〜60分の有酸素運動を行うことで、妊娠中の高血圧や、帝王切開のリスクをある程度下げることが出来ると言えそうです。




妊娠中の運動に関しては、お腹の張りや出血、子宮の出口の長さなど、様々な条件によって制限が変わってきますが、かかりつけ医から特に運動制限されていない方は、軽い有酸素運動を心がけるようにしてくださいね。