つい先日、厚労省から



「コロナワクチンとインフルエンザワクチンは同時に接種しても大丈夫」



という発表がありました。



今まで、コロナワクチンを接種する前後2週間は接種期間をあけないといけない、という縛りがあったので、それが緩和された形になります。




そこで、今回はインフルエンザワクチンとコロナワクチンを同時に接種した場合の副反応に関するデータを見ていきたいと思います。










この論文では、コロナワクチンとインフルエンザワクチンを同時接種した場合と、コロナワクチン単独で接種した場合の副反応について、接種後1週間の全身症状を比較しています。




同時接種群: 92,023(ファイザー: 61,390人、モデルナ: 30,633)

 1249: 34.1%

 5064: 25.1%

 6574: 24.0%

 75歳以上: 5.3%



コロナワクチン単独群:889,076(ファイザー: 466,439人、モデルナ: 422,637

 1249: 43.5%

 5064: 27.3%

 6574: 31.0%

 75歳以上: 9.2%



と年齢分布に大きな違いはありませんでした。





同時接種群の中で、ファイザー・インフルエンザ群とモデルナ・インフルエンザ群を比較したところ、



注射部位の症状: 64.9% vs 74.4%

全身反応: 58.9% vs 68.6%

健康状態への影響: 19.0% vs 26.8%



と、ややモデルナ群に多い結果となっていました。




最も多い全身症状としては、倦怠感、頭痛、筋肉痛が挙げられました。




コロナワクチン単独で接種した場合の副反応と比べて、副反応としての全身症状は、ファイザー群: 1.08倍、モデルナ群: 1.11倍と、わずかにリスクが上がっていました。



一方で、医学的な治療が更に必要となる確率は、ファイザー群、モデルナ群ともにほぼ同じでした。





今回のデータは、ワクチン接種した人が自分でレポートしたものを集めているものなので、何らかの偏りが生じている可能性もあります。



また、接種後7日間という比較的短期間でのデータとなっているため、もう少し長期間での副反応に関しては、これからデータが集まるのを待つ状況となります。





接種直後の副反応という観点から言えば、コロナワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種するという一つの選択肢として、考慮できるデータにはなっていると思います。






この2年間はインフルエンザが全く流行していませんでしたが、南半球のオーストラリアでは、今年インフルエンザが流行しており、感染対策が緩やかになりつつある日本でも流行する懸念があります。




9月の時点で、まだインフルエンザワクチンは入荷していないので接種できませんが、接種できる時期がきたら検討してみてください。





また、同時接種がどうしても不安だという方は、今まで通りコロナワクチンの前後2週間をあけてインフルエンザワクチンを打ってもらえればいいと思うので、インフルエンザワクチンが流通し始めたら、予定を立てて見てくださいね。