今回は同様にクラミジア治療後の再感染に関する話をしたいと思います。
こちらの論文では、アフリカ系アメリカ人でクラミジア再感染が高いことから、その原因について調べています。
治療後6ヶ月以内の再感染に関して、HLA-DQB1という遺伝子と、クラミジアに特異的なCD4+ IFN-γ という免疫について検討したところ、
クラミジア再感染率は
CD4+ IFN-γが陽性で、HLA-DQB1が陰性の場合は 14.1%
CD4+ IFN-γが陰性で、HLA-DQB1が陽性の場合は 61.5%
と、免疫に関するデータが異なると、かなり再感染率が違う事がわかりました。
再感染に注意が必要とは言え、そこに遺伝子が関わってきて、6割近い再感染率になるとは、かなり驚きの結果です。
こちらの論文では、ニュージーランドにおけるクラミジアの再感染率を調べています。
2015〜2017年にかけて、治療後6週間〜6ヶ月の間の再感染率を調べています。
その結果、9241人のうち3151人(34%)が再検査を受け、そのうち21%が再感染と診断されました。
こちらの論文で対象となったのは、2013〜2019年にクラミジア感染と診断された15歳以上の患者さんで、治療後28〜120日以内に再検査で陽性と診断された場合に再感染と判断されました。
また、患者さんがクラミジア陽性と診断された場合に、パートナーにも前もって治療薬を渡しておく「EPT」という治療法も行われました。
対象となった7267人のうち、1475人(20%)にはEPTが行われていて、2013年の15%から2014年の22%へと、少しずつ増えていました。
クラミジア感染と診断された人のうち、35%は再検査を受けて、そのうち7%は再感染と診断されました。
EPTを受けた人の方が再検査を受ける確率は1.09倍とやや高かったものの、再感染率には違いがありませんでした。
こちらの論文でも、クラミジア治療後3ヶ月経過した時点での再感染率を調べています。
対象となった134人のうち77人(57.5%)が再検査を受け、正確に再検査を受けた59人のうち、再感染は13人(22.0%)でした。
以上、いくつかの論文を見てきましたが、クラミジアの治療をしても、再検査をすれば2割近い人が再感染していることがわかります。
再感染したかも、という心当たりのある人が再検査を受けている可能性や、国や人種による違いもあると思うので、一度感染したからと言って必ず2割前後で再感染するとまでは言えませんが、相応の再感染率があると考えて良さそうな結果ですね。
クラミジア感染自体は飲み薬で治すのですが、時々治らないこともあるので、治癒確認が大切です。
また、今回ご紹介した論文のように、一定の確率で再感染リスクも考えないといけません。
感染していることに気付かずに放置しておくと不妊症の原因にもなり得ます。
もし、心当たりのある方は、一度再検査を受けてみて下さいね。
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