先日、妊娠中に新型コロナ感染した時の赤ちゃんへの影響についてブログを書きました。





今回、また新たに妊娠中の新型コロナ感染に関する論文が出てきたので、ご紹介したいと思います。







この論文で対象となったのは、2020年5月29日から2021年1月31日まで、イギリスで出産した342,080人の妊婦さん。


そのうち、妊娠中に新型コロナ陽性と診断されたのは3,527人でした。



出産・産後に関わるデータを検証すると、新型コロナ感染によって



・子宮内胎児死亡: 2.21倍


・妊娠37週未満の早産: 2.17倍


とリスクが高くなっていました。




また、


・妊娠高血圧腎症/子癇発作: 1.55倍

(血圧が高くなって腎臓の機能が落ちたり、痙攣発作を起こす事)



・緊急帝王切開: 1.63倍


・産後の入院期間延長: 1.57倍



と、いずれも少しリスクの高い結果となっていましたが、その他の母体のリスクには違いがありませんでした。




生まれた赤ちゃんについては、


・新生児専門医による治療の必要性: 1.24倍


・新生児の入院期間延長: 1.61倍


とリスクが高くなっていました。




一方で、妊娠37週以降の出産に限って検証すると、新生児専門医による治療の必要性や、産後1ヶ月以内の再入院リスクについては差がなく、様々なリスクの原因は、新型コロナ感染そのものより、早産によるリスクが考えられました。





やっとコロナワクチンの接種が少しずつ広まってきましたが、まだまだ変異株の流行もあり、感染対策は欠かせません。






妊婦さん自身も含めて、同居されているご家族の方も、ランチや飲み会などでマスクなしの会話をしないよう、心がけていきましょう。