先日、妊婦さんが新型コロナに感染した場合の赤ちゃんへの感染率を調べた論文をご紹介しました。
その時の論文では、100人ほどの妊婦さんで約8%の赤ちゃんに新型コロナが感染した、という結論だったのですが、今回は更に人数が増えて900人近い妊婦さんで検証した論文が出てきました。
それがこちら。
こちらの論文では、2020年5月までに妊娠後期に新型コロナ感染と診断され、その赤ちゃんを生後48時間以内に検査したケースを調べています。
対象となったのは936人の赤ちゃん。そのうち、27人(3.2%)に鼻咽頭スワブ検査で新型コロナRNAが検出されました。
その他の検査方法としては、
臍帯血を調べた34人のうち1人(2.9%)
胎盤を調べた26人のうち2人(7.7%)
赤ちゃんの便を調べた31人のうち3人(9.7%)
に新型コロナRNAが検出される一方で、羊水を調べた51人、尿を調べた17人からは検出されませんでした。
また、82人の赤ちゃんの血液検査では、感染した場合に作られるIgMという抗体が3人(3.7%)に認められました。
以上のことから、妊娠後期に新型コロナ感染と診断された妊婦さんからは、数%の確率で赤ちゃんからも新型コロナが検出されると言えそうです。
これは、他の感染症でも同様の確率であり、新型コロナに限って感染確率が高かったりするわけではありませんが、いずれにせよ感染対策は継続していく必要があります。
引き続き、妊婦さん自身や、同居しているご家族が手洗い、マスク、会食を控えるなどの感染対策を気を付けていきましょう。
