先日、多毛症に対する治療としてスピロノラクトンという薬が有効かも知れない、という論文をご紹介しました。


そこで、今回は同じように多毛症に対する論文をご紹介したいと思います。

こちらの論文では、前回のブログで説明したスピロノラクトンと、低容量ピルを組み合わせて、多毛症に効果があるかどうかを検証しています。


対象となったのは、多毛症の原因として最も多い多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された200名です。


その内、138名は低容量ピルとスピロノラクトンを内服してもらいました。


平均追跡期間は34.2ヶ月で、85.1%に多毛症の改善、82.7%に生理不順の改善、79.3%にニキビの改善が認められました。


フェリマン・ゴールウェイという以下に示すような多毛症のスコアも、59.9%に改善が認められました。




スコアの改善点数や、多毛症が改善したと感じる人の割合は、ピルやスピロノラクトンを一方だけ内服する人より、両方内服する人の方が良好な結果でした。

また、両方内服しても副作用が出る確率に違いはありませんでした。

治療がうまくいくかどうかは、治療開始前のスコア次第である、とのことなので、必ず上手くいくとは言い切れませんが、高確率で満足している結果となっているため、多毛症に悩む方は試してみる価値はあると思います。


ピルとスピロノラクトンの組み合わせは、うまく行くには少なくとも半年が必要とされており、治療が長くなるほど満足度も上がっていくので、少し気長に治療する事が必要ですね。



オンラインピル処方外来