インフルエンザが流行ってきていますが、その予防のためにビタミンが有効かどうかを調べてみました。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30328294

 

この論文では、3〜17歳の子供たち1,300人を対象に、毎週14,000単位のビタミンDを与えるグループと、プラセボ(薬の効果がない粒)を内服するグループに分けて、8ヶ月間検証しました。

 

どちらのグループも、内服開始前の血中ビタミンD濃度は、65.7 nmol/L と 65.2 nmol/L で違いはありませんでした。

 

検証開始後、ビタミンD内服グループの血中濃度は、91.8 nmol/L に上昇したのに対し、プラセボグループでは、64.5 nmol/L と変化ありませんでした。

 

インフルエンザ感染に関しては、ビタミンDグループの50人(7.7%)がインフルエンザ感染と診断されたのに対し、プラセボグループでは43人(6.6%)が診断されました。

 

インフルエンザと診断された確率としては、両グループに明確な違いはありませんでした。

 

しかし、インフルエンザとは診断されなかった呼吸器感染は、ビタミンDグループの146人(22.5%)に認められたのに対し、プラセボグループでは185人(28.5%)に認められました。

 

以上のことから、インフルエンザも含めた全ての呼吸器感染症のリスクを考えると、ビタミンDを摂取することで、リスクが0.81倍になると言えます。

 

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28719693

 

こちらの論文では、具体的なビタミンDの量に関して検討しています。

 

対象となったのは、平均年齢2.7歳の703人の子供たち。

 

349人は1日2000IUという高用量のビタミンDを内服し、354人は1日400IUという通常量のビタミンDを内服しました。

 

内服期間は9月から5月までの最低4ヶ月間です。

 

その結果、風邪症状が出たのは、高用量群で一人当たり1.05回、通常量群で一人当たり1.03回と、明らかな違いはありませんでした。

 

最終的に、ビタミンDの血中濃度は、高用量群で 48.7 ng/mL、通常量群で 36.8 ng/mL でした。

 

以上のことから、1〜5歳の子供にとって、ビタミンDの内服量は、1日400IUでも2000IUでも変わりがないと言えそうです。

 

 

劇的にインフルエンザの確率を下げる、というデータはありませんでしたが、風邪症状は減らせる可能性があるので、ビタミンDサプリを検討してもいいのではないでしょうか?