婦人科では、生理痛に対してピルやジェノゲスト、ミレーナ、漢方薬などを処方します。

また、生理痛の原因として子宮が腫れる子宮腺筋症や、卵巣が腫れるチョコレート嚢腫という状態がないかどうかも診察します。

特に子宮腺筋症やチョコレート嚢腫などの「子宮内膜症」を放置しておくと、生理以外でも痛くなったり、不妊症にも繋がることがあるため、ピルやジェノゲストなどのホルモン治療で、出来るだけ子宮内膜症が悪化するのを予防する事が大切になってきます。

一方で、ホルモン治療をしても効果が不十分な事もあります。また、ホルモン治療をするほど症状は強くないけど、何か自分でできる事はないかな、と探される人もいると思います。

そこで、今回は「指圧」、いわゆる「ツボ押し」についての論文をご紹介したいと思います。

まずはこちら

こちらの論文では、134名の女性を様々なツボ押しグループに分けて、生理痛に対する効果を検討しました。

足三里を押すグループ30名、合谷を押すグループ33名、合谷と三陰交を押すグループ36名、ツボを押さないグループ35名に分かれてもらいました。
ツボを押す時間は20分間です。




その結果、6ヶ月治療を継続したところ、合谷と三陰交を押したグループで、生理痛の痛みや不安が軽減しました。

合谷だけを押したグループでも生理痛は減少しましたが、生理に関する不安やストレスは軽減しませんでした。

足三里を押したグループでは、痛みや不安は軽減しませんでした。

以上の結果から、合谷と三陰交に対するツボ押しの効果が最も生理痛に対して効果が期待できると言えそうです。


次の論文でも生理痛に対するツボの効果を検証しています。


こちらの論文では、58名の女性を三陰交を押すグループと三陰交を軽く触れるだけのグループに分けました。ツボを押すのは生理が始まって最初の8時間以内です。

その結果、ツボを押す事でその直後から2時間までは明らかに痛みが改善しました。また、恥骨の上あたりの皮膚温も上昇する事が確認できました。

このように生理痛に対して、指圧はある程度の効果が期待できると言えます。

もちろん、最初に説明したように子宮内膜症の有無というのは非常に大切なことなので、婦人科での定期的な診察は必須ですが、それに加えて指圧で痛みを軽減する、という選択肢も検討してもらってもいいのではないでしょうか?